FRONTEOは4日、シミックと製薬企業における適応症戦略の意思決定支援を目的とした協業契約を締結したと発表した。
同サービスは、FRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」による適応症探索・評価支援サービスの一環として提供される。
両社の知見を組み合わせることで、製薬企業は科学的な新規性および妥当性に加え、事業性の観点も踏まえた適応症戦略を検討することが可能になり、より実現可能性の高い適応症戦略の策定を加速させるものと期待される。
新規医薬品を市場に投入するためには、10〜17年の開発期間と約3240億〜4860億円の投資が必要とされる。こうした背景を受け、既存アセットの活用に加え、開発中パイプラインの適応拡大や新規アセットの導入評価を含む適応症戦略の検討が、コスト抑制・期間短縮の観点から製薬業界における重要なテーマとなっている。
一方で、適応症の検討は、開発中パイプラインの追加適応症の評価、ライフサイクルマネジメント、外部アセットの導入評価など創薬プロセスの多岐にわたるフェーズで行われるものの、科学的に有望な研究成果であっても事業性の観点から次の段階に進めないケースも少なくない。
また、科学的な探索結果と事業・開発観点での評価が十分に統合されていないことが、意思決定上の課題となっていた。従って、両者を有機的に組み合わせ、製薬企業の意思決定を一貫して支援する枠組みへの需要が高まっている。
同協業は、FRONTEOとシミックがそれぞれの強みを持ち寄り、製薬企業の適応症戦略に関する意思決定を包括的に支援するものだ。
FRONTEOは、方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」を核とするDDAIFを通じ、クライアントが指定するアセットに対し、既存の学術論文では報告されていない新規性の高い適応症を網羅的に探索するとともに、当該アセットがその疾患の治療において効果を発揮するメカニズムに関する仮説を提示する。
一方、シミックのConsulting and Navigation Unitは、製薬・ヘルスケア領域で培った医療データ、市場・競争環境情報、臨床開発の実現可能性に関する知見、疾患領域の専門家の知見も活用しながら、FRONTEOが提示する適応症候補に対し、医療現場におけるアンメット・メディカル・ニーズを踏まえた治療価値の評価や市場性、開発成立性の観点から調査・情報の付与を行う。
製薬企業は、両社からの情報をもとに、適応症の比較・選択・優先順位付けを行い、適応症戦略の方針を決定する。なお、同協業は、開発中パイプラインの追加適応症の検討、ライフサイクルマネジメント、外部アセットの導入評価まで、幅広い場面での活用を想定している。
◆奥田晃義シミックホールディングス株式会社 上席執行役員/CRO & Consulting事業ユニット担当のコメント
医薬品開発において、適応症戦略は研究開発の方向性や事業価値を左右する重要な意思決定の一つである。AIにより新たな科学的仮説を導き出すFRONTEOのDrug Discovery AI Factoryと、シミックグループが製薬・ヘルスケア領域で培ってきた医療現場、マーケット、臨床開発・薬事、事業化に関する知見を組み合わせることで、科学的な可能性を、より実現可能性の高い開発戦略へと繋げられるものと期待している。
本協業を通じて、製薬企業のさまざまな意思決定を支援し、アンメット・メディカル・ニーズの解決と、より多くの患者さんへの新たな治療選択肢の提供に貢献していく。
◆豊柴 博義FRONTEO取締役/CSO(Chief Science Officer)のコメント
医薬品開発では、AIによる科学的な仮説づくりと、事業性の評価の、両方が必要になってくる。そうでなければ、科学的に有望な発見であっても事業性の観点から開発に至らない、あるいは事業性の高い領域に科学的な裏付けが伴わないといった、意思決定の停滞が生じてしまう。
FRONTEOのDDAIFは、「KIBIT」により、疾患と標的分子の未知の関連性を導き出すことを強みとしている。この科学的な発見と、シミックの持つ事業評価の知見を一つのプロセスに統合することで、新規性と開発の実行しやすさを兼ね備えた創薬を推進し、製薬企業の適応症戦略の成功確度を高め、アンメット・メディカル・ニーズの解消につなげていく。


