ファイザーは16日、抗悪性腫瘍薬(CDK4/6阻害剤)「イブランス」(一般名:パルボシクリブ)について、日本国内でホルモン受容体陽性HER2陽性乳がんにおける維持療法として適応拡大承認を取得したと発表した。
対象は、ホルモン受容体陽性かつHER2陽性の手術不能または再発乳癌における化学療法後の維持療法。
今回の一部変更承認は、米国のAFTが主導して実施した海外P3試験(PATINA試験)結果に基づくもの。今回の承認により、イブランスは、HER2の発現状況にかかわらず、ホルモン受容体陽性の転移乳がん患者に適応される初めてかつ唯一のCDK4/6阻害薬となった。
◆高野利実がん研有明病院 乳腺内科部長のコメント
転移・再発乳がんの薬物療法はサブタイプごとに進歩してきた。ホルモン受容体陽性HER2陰性のサブタイプでは、すでに、内分泌療法にCDK4/6阻害薬を併用する意義が確立している。
ホルモン受容体陽性HER2陽性のサブタイプにおいても、抗HER2療法と内分泌療法に、CDK4/6阻害薬を併用することへの期待は高く、PATINA試験でその意義が示されたことを喜ばしく思う。
PATINA試験は、化学療法(抗HER2療法と殺細胞性抗がん剤の併用)後の維持療法としてイブランスを併用投与することで、疾患進行または死亡のリスクを有意に低下させることを示したP3試験である。
殺細胞性抗がん剤を含まない薬物療法によって、この効果が得られたというのも、注目すべき点だと考えている。今回の承認により、ホルモン受容体陽性HER2陽性の転移・再発乳がんの患者さんにとって、重要な治療選択肢ができたことになる。
◆ドミニク・オリヴェリオ ファイザー取締役 執行役員オンコロジー部門長のコメント
ホルモン受容体陽性HER2陰性転移乳がんに加えて、本日、ホルモン受容体陽性HER2陽性転移乳がんに対するイブランスの適応追加承認を取得することができたことをうれしく思う。今回の承認により、ホルモン受容体陽性HER2陽性転移乳がんの患者さんに新たな治療選択肢を提供できることとなる。
