リサンキズマブ  クローン病治療薬として欧州医薬品庁に承認申請  アッヴィ

アッヴィは14日、インターロイキン-23(IL-23)阻害薬「リサンキズマブ」について、中等症から重症のクローン病に対する治療薬としての承認申請を欧州医薬品庁(EMA)に提出したと発表した。
 対象は、中等症から重症の活動性クローン病を有する16歳以上で、既存治療および生物学的製剤に効果不十分、効果減弱または不耐容の患者。
 今回の申請は、3つのP3相ピボタル試験(ADVANCE試験、MOTIVATE試験およびFORTIFY試験)に基づくもの。
 P3相の寛解導入療法試験であるADVANCE試験およびMOTIVATE試験では、リサンキズマブ600 mgのIV導入療法を受けたクローン病患者において、12週時の臨床的寛解および内視鏡的改善に関して統計学的に有意な結果が得られた。両方の主要評価項目を達成した患者の割合が、プラセボ群と比較して有意に高い結果であった。
 リサンキズマブのIV寛解導入療法により臨床的改善がみられたクローン病患者を評価したFORTIFY P3相維持療法試験において、1年時(52週時)の内視鏡的改善および臨床的寛解を達成した患者の割合は、プラセボ群(対照群)と比較して、リサンキズマブ360 mg SC投与群で有意に高い結果であった。
 ADVANCE試験、MOTIVATE試験およびFORTIFY試験において、これまでに確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルと比較して、中等症から重症のクローン病患者の安全性に関する新たなリスクは認められなかった。
 クローン病に対するリサンキズマブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性は規制当局による評価はされていない。
 リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導している。

◆アッヴィsenior vice president of research and development 兼chief scientific officerのTom Hudson氏のコメント
 中等症から重症のクローン病を有する患者さんには、持続的な下痢や腹痛などの症状により、生活の質に影響を及ぼす可能性がある。当社は、規制当局と連携し、クローン病の患者さんにとってファースト・イン・クラスの治療選択肢となる可能性を秘めた治療薬として、リサンキズマブを提供できることを心待ちにしている。

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