ホスレボドパ/ホスカルビドパ(ABBV-951) 進行期パーキンソン病P3試験で好結果  アッヴィ

 アッヴィは、ホスレボドパ/ホスカルビドパ(ABBV-951)について、進行期パーキンソン病患者に対するP3相ピボタル試験において経口レボドパ/カルビドパ療法と比較して、運動機能の日内変動の改善を示したと発表した。
 12時間後における日常生活に支障となるジスキネジア(不随意運動)を伴わない「オン」時間(パーキンソン病症状日誌に基づき評価)のベースラインからの増加が示され、主要評価項目を達成した。この結果は、今後の各国での承認申請において重要な要素となる。
 12週目での「オン」時間の増加は、ABBV-951の2.72時間に対し、経口レボドパ/カルビドパ(LD/CD)では0.97時間であった(p=0.0083)。「オン」時間の改善は1週目から認められ、12週間継続した。
 正規化した1日あたりの平均「オフ」時間のベースラインからの改善も、経口LD/CDと比較し1週目から12週間目まで継続して減少し、類似したパターンを取った。12週間後の「オフ」時間の減少は、ABBV-951の2.75時間に対し、経口LD/CDでは0.96時間であった(p=0.0054)。
 ABBV-951群で報告された有害事象(AE)の大部分は非重篤で、軽度から中等度のものであった。重篤なAEの発現率は、ABBV-951群で8%、経口LD/CD群で6%であった。
 治療下で発現した死亡に至るAEは、経口LD/CD群にて1例、ABBV-951群では発現しなかった。ABBV-951群で5%以上の高頻度で報告されたAEは、注入部位におけるAE(紅斑、疼痛、蜂巣炎、浮腫、紫斑、出血、結節、硬結、感染症、掻痒)、ジスキネジア、「オン・オフ」現象、転倒、幻覚(幻視を含む)、平衡障害、便秘および末梢性浮腫であった。
 注入部位におけるAEの発現率は、ABBV-951群で経口LD/CD群より高く、その多くは非重篤で、軽度から中等度、治療なしあるいは治療により治癒し、全身性の合併症へ至ったものはなかった。
 幻覚および精神疾患のAEの発現率は、ABBV-951群で経口LD/CD群よりも高く、その大部分は非重篤で、軽度から中等度であった。転倒、および転倒に伴う傷害の発現率は、ABBV-951群が経口LD/CD群よりも低いという結果になった。試験治療の中止に至ったAEは、ABBV-951群の患者さんで21.6%、経口LD/CD群で1.5%であった。
 P3I相試験の全結果は、今後、学会や査読誌で公表する予定。ABBV-951による治療は現在試験が進行中で、ABBV-951の使用は承認されていない。ABBV-951の安全性および有効性について、規制当局による評価はされていない。

◆アッヴィバイスチェアマン兼プレジデントのマイケル・セヴェリーノM.D.氏のコメント
 パーキンソン病は、進行性で不可逆性の神経疾患であり、消耗性の症状を伴うことから、日常生活に困難をきす。我々は患者さんの長年のニーズに応えようと懸命に取り組んでおり、進行期パーキンソン病患者さんにとって新たな治療選択肢の可能性を示す今回の結果を喜ばしく思う。

◆同臨床試験責任医師でワシントン大学臨床准教授、ワシントン州立大学エルソン S. フロイド医科大学臨床助教授のジェイソン・アルドレッドM.D.氏のコメント
 患者さんは、消耗性疾患であるパーキンソン病の症状と日常生活に支障となるジスキネジアを制御する、より多くの治療選択肢を必要としている。今回のデータは有望であり、進行期パーキンソン病治療薬の有効性の評価に使用される重要なエンドポイントについて良好な結果を示すものでもある。

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