e-お薬手帳の提携先をNTTドコモに変更し拡大化目指す   大阪府薬藤垣会長

 大阪府薬の藤垣哲彦会長は、「日薬e-お薬手帳(日薬)、大阪e-お薬手帳(大阪府薬)の現在の事業提携先であるSTNetをNTTドコモに変更し、それを契機に両お薬手帳を統合してさらなる拡大化を目指す」構想を示した。11日に開かれた大阪府薬の定例会見で明らかにしたもの。
 大阪e-お薬手帳は、2013年に大阪府薬とSTNetが事業提携して、「患者の薬識の向上と災害時活用による安全・安心確保」を目的に開発された。
 その後、全国で幅広く運営するために、大阪e-お薬手帳事業が実質的に日薬に譲渡され、日薬e-お薬手帳(日薬)と大阪e-お薬手帳(大阪府薬)が並行する形で運営されてきた。
 藤垣氏は、「NTTドコモとの事業提携でコンテンツの中身もより充実するため、e-お薬手帳のさらなる拡大が期待される」と強調した。
 今後の具体的なスケジュールについては、堀越博一常務理事が、「12月を目途に、NTTドコモのe-お薬手帳アプリが配信される。デザイン的には、日薬版と大阪府薬版を足したものになる」と明言。
 その上で、「新しいアプリをダウンロードすれば、これまでの服薬データを移すことができる。現在、各薬局にSTNetをNTTドコモへの移行をお願いしている。薬局での使用料も、STNetと同様になるようにNTTドコモと契約を進めている」と説明した。
 さらに、「NTTドコモは、アイン薬局やスギ薬局などのチェーン店の電子お薬手帳も開発しており、e-お薬手帳との互換性も可能になる。これら現行のアプリ利用者の合計は、100万人程度になる」とコメントした。
 NTTドコモとの連携によるe-お薬手帳の機能についても「レセコンで開くイメージで、普段使っているパソコン内で閲覧できると理解している」との見解を示した。
 会見の中で藤垣氏は、「2019年度学術研究倫理に関する研究会」の開催(来年2月8日)にも言及し、「薬剤師職能の論文化への取り組みに向けて亀井美和子日薬常務理事(日大薬学部教授)、薬剤師における臨床研究の実際について山本克己大阪府薬理事(神戸薬科大学教授)に講演をお願いしている」と紹介。「論文化への取り組みは、開局薬剤師の関心も高まっているので、今年度も研修会を企画した」と語った。
 大阪府薬では、2017年4月、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(2014年12月22日制定)に対応するため、「学術研究倫理審査委員会」を開設。10名の審査委員が、学術研究倫理審査申請を受け付けている(年3回)。
 大阪府薬の倫理審査では、研究責任者が申請時において、研究倫理に関する教育プログラム修了を申請要件としている。“2019年度学術研究倫理に関する研究会”受講者にも、同プログラムの終了を証明する終了証(有効期限原則1年)が発行される。
    

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