2025大阪・関西万博1年前イベント開催 世界に向けた大阪ヘルスケアパビリオンの魅力発信を確認

 日本抗加齢協会は24日、大阪市内で2025大阪・関西万博に向けた未来社会デザインシンポジウム2024「万博1年前イベント~大阪ヘルスケアパビリオンの魅力と未来への発信~」を開催した。
 パネルディスカッションでは、大阪ヘルスケアパビリオンで提示される「実際に通勤、趣味の場で自然に生体情報がチェックされ、AIによってその人にとって最も健康に良いサプリ、食事、運動が推奨され、特別に意識しなくても大阪に住んでいるだけでどんどん元気になってくる」2025年の大阪の未来をいち早く感じるディスカッションが展開された。

堀江氏

 始めに堀江重郎日本抗加齢協会理事長が、「大阪ヘルスケアパビリオンは、森下竜一総合プロデューサー(大阪大学大学院医学系研究科寄附講座教授)の下、着々と準備が進んでいる」と報告。その上で、「大阪パビリオンでは、‟Reborn”のテーマのもと、‟健康”という観点からの未来社会の新たな価値の創造への取り組みが展開される。本日は、Rebornの魅力、デザインについてしっかりと討論して頂きたい」とあいさつした。

鳥井氏

 続いて共催者の鳥井信吾大阪商工会議所会頭が、「ライフサイエンスは大阪の強みで、世界最先端の研究機関が関西に集積している。今後、健康産業のエコシステムをどう構築していくかが最大のテーマとなっており、2025年大阪・関西万博はそれを示す大きなインパクトになる」と訴えかけた。
 基調講演では、「大阪ヘルスケアパビリオンの魅力と期待」をテーマに講演した西澤良記氏(2025年日本国際博覧会大阪パビリオン 副代表理事)が、まず、「大阪ヘルスケアパビリオンが日本政府館に続く2番目に大きいパビリオンになる」と紹介した。
 大阪ヘルスケアパビリオンでは、「Reborn」のテーマのもと、「知る・感じる」、「体験できる」、「みんなで参加できる」という視点から、展示やイベントを通じて3つのサブテーマとなっている「Saving Lives(いのちを救う)」、「Emopowering Lives(いのちに力を与える)」、「Connecting Libes(いのちを繋ぐ)」にアプローチするというもの。
 具体的には、1階で入場者の顔年齢、血管年齢などのデータを測定した後、ソフトライドに乗って2階へ上がれば、25年後のミライの自分のアバターが登場する。アバターを得てミライのヘルスケアゾーンを体験した後にもう一度アバターを見るとミライの‟生まれ変わった”自分自身を見れる「Reborn体験ルート」が大きな目玉になっている。
 西澤氏は、「大阪ヘルスケアパビリオンは、現在、着工して丁度1年になるが、本年10月の引き渡しに向けて建築は順調に進んでいる」と報告した。
 続いて佐野嘉彦ニプロ代表取締役社長が、「未来の健康、世界のヘルスケアを大阪から」をテーマに‟間葉系幹細胞治療”を紹介し、「従来の治療方法では難しかった脊髄損傷に対しても期待できる」と語った。

森下氏

 パネルディスカッションではモデレータの森下氏が、「大阪は製薬企業、ヘルスケア産業が集積しているにも関わらず府民の健康度は低い」と指摘。その理由を「大阪の人は面倒くさがりやが多く、健康診断への興味も低い」とした上で、「こうした大阪人の気質から、大阪ヘルスケアパビリオンは、普段の生活の中から楽しみながら健康になることをモチーフにしている」と説明した。

山田氏


 パネリストの 山田秀和大阪ヘルスケアパビリオンディレクター(日本抗加齢医学会理事長)は、「健康寿命を延ばすには、老化速度を落とすことがポイントになる」と強調し、「大阪ヘルスケアパビリオンでは老化時計の測定実施により、老化速度を落とす重要性を理解してもらえるようにしている」と述べた。また、健康寿命においては、「顔年齢の測定」が大きな指標になることも指摘した。

富田氏

 冨田哲也氏(森ノ宮医療大学)は、2050年のミライの医療、ミライの病院について言及し、「医療の先進技術によって危ない段階で阻止できるため、町中で突然死することは無くなる」と断言。
 さらに、「現在、敷居の高い再生医療も、町中で幹細胞を増やして自由に再生医療の恩恵を受けることができるようになる」と2050年の具体的な大阪の未来医療の様子を紹介した。

岩渕氏


 岩淵紀介森永乳業研究本部基礎研究所プロバイオティクス研究室室長は、「腸活から心と体の健康寿命延伸」について解説し、「腸内フローラ・ビフィズス菌の重要性」を訴えかけた。
 大阪ヘルスケアパビリオンでは、こうした森永乳業の「腸活による健康寿命の延伸」やニプロの「間葉系幹細胞治療」など、万博会期中、400社以上の企業が未来医療を具現化した展示を展開する。
 最後に森下氏が「1970年の大阪万博で展示された携帯電話、電気自動車、動く歩道が実社会化されている。2025年万博で紹介する医療技術も2050年には具現化され、大阪に住めばどこよりも長く生きることができて、大阪の健康寿命が日本で1番になってほしい」と総括した。

横山大阪市長

 横山英幸大阪市長は、「平均寿命の延びに健康寿命が追い付かないと社会保障制度が危機に面する。大阪・関西万博で展示された医療技術が社会実装化することで、次の時代に繋げていきたい」と訴求した。

吉村大阪府知事

 シンポジウムの閉会に当たっては吉村洋文大阪府知事が、「日本は技術立国で、ライフサイエンス、ヘルスケア分野が非常に強い。大阪・関西万博を通じて日本のプレゼンスを示して日本の経済発展に繋げていきたい」と強調。さらに、「皆さんと一緒に大阪の未来を作っていきたい。その羅針盤を示すのが大阪ヘルスケアパビリオンである。1年後に、この素晴らしいパビリオンを世界に向けて発進しよう」と呼びかけた。
             

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