遺伝性血管性浮腫患者対象のP3試験で有効な結果      武田薬品

 武田薬品は11日、12歳以上の遺伝性血管性浮腫(HAE)患者を対象としたP3相HELP(遺伝性血管性浮腫長期予防)試験の非盲検延長試験で、TAKHZYRO注射剤の長期安全性および有効性が示されたと発表した。
 同試験の解析結果により、TAKHZYROが継続してHAE発作を予防し、多くの被験者が平均19.7ヵ月(0 – 26.1ヵ月)の投与延長期間でも、HELP試験でみられた予防頻度と同様の割合で発作発現がないことが判った。
 P3試験である最初のHELP試験は、125名のHAE患者を対象として26週以上にわたって実施された、これまでで最大規模かつ最長期間、積極的な投与を行った無作為化対照比較予防試験。
 実施中であるHELP OLE試験のデザインは、TAKHZYROの長期安全性(主要評価項目)および有効性を評価するもので、本年11月に試験が完了する予定。
 これらの解析では、最初のHELP試験で被験者として評価され、長期試験に移行した109名の患者(長期試験移行群)と、最初の試験には参加しなかったものの、12週間以内に1回以上の発作を発現し、試験の適格性を満たした103名の患者(新規投与群)を解析対象とした。
 HELP OLE試験におけるTAKHZYROの安全性プロファイルは、最初のHELP試験で得られた結果と一致しており、治療に関連し、治験薬投与下で発現した有害事象(TEAE)が50%(n=106)の患者で発現した。さらに、TAKHZYRO 300 mgを2週ごとに投与された群においては発作発現率、緊急治療を必要とする発作および中等度から重篤な発作(有効性の副次評価項目)を低下させた。平均発作発現率は、ベースラインと比較して全体で87%低下した(n=212)。
 また、同様に、ベースラインと比較して緊急治療を必要とする発作発現率は92.6%、中等度または重篤な発作発現率は83.6%低下した(いずれもn=212)。探索的な解析により、最初に投与された通常用量によって12カ月以上発作が発現しない状態であった患者が58%(n=209)、6カ月以上発作が発現しない状態であった患者が78%(n=209)みられた。
 HELP OLE試験の担当医師のMarc A. Riedl氏(カリフォルニア大学教授)は、「最初に実施されたHELP試験の結果によって、TAKHZYROがどのようにHAE発作を予防するかを充分理解することができた」と報告。さらに、「今回の解析結果は、TAKHZYROの長期投与における安全性および有効性の可能性に希望を抱かせるものだ」との考えを示し、「HAEは、長期間生活に影響する疾患であるため、予防薬としての長期間の有効性および安全性は患者それぞれの疾患マネジメントを考えていくうえで非常に重要なポイントとになる」と指摘している。
 今回の解析結果は、7~11 日に米国テキサス州ヒューストンで開催された2019年米国アレルギー喘息免疫学会年次総会で報告された。また、今月発行のACAAIの学会誌「Annals of Allergy, Asthma & Immunology」に掲載される予定。

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