住友ファーマは7日、米国ファンドのGotham City Research(GCR)が8月3日付で公表した同社に関する告発レポートに対する追加説明を公表した。
GCRは、企業の不正会計や企業の価値誇張を暴露するレポートの公表と同時に、対象企業の空売り(ショート)を行う米国の著名な空売り専門投資調査会社だ。
住友ファーマは、「同レポートには当社の事業および会計処理に対する独自の主張が含まれており、その内容は事実とは明確に異なる点が多数有する」と強調している。
まず、GCRの「住友ファーマの2026年3月期の利益は、一時的要因によって押し上げられている」との主張に対し、「2026年3月期の連結業績において、アジア事業の一部持分譲渡に伴う関係会社持分譲渡益490億円を計上している。当該譲渡益は、適用される会計基準に従い適切に計上したものである」と説明。
また、「2025年5月13日付“関係会社持分譲渡益の計上見込みに関するお知らせ”をはじめとする開示資料において、その内容を適時適切に開示している」としている。
次に、「2026年3月期末の売掛金残高の増加は、押し込み販売、売上の前倒しまたは架空売上の計上による疑いがあり、これに伴い利益がかさ上げされている」とのGCRの主張に対しては、「売上収益と売掛金残高の増減率を単純に比較している。だが、両者は計上方法および比較の前提が異なるため、この比較から8月3日付レポートが示唆するような収益認識を導くことは適切ではない」と反論。
さらに、「住友ファーマの連結財政状態計算書において、売掛金は“営業債権及びその他の債権”に含めて表示している」と強調。売上収益および売掛金残高の増加率の関連性に影響した主な要因として、①ファクタリング取引の実施状況の相違、②売上収益と売掛金の計上方法の違い、③アジア事業の一部持分譲渡による影響ーを挙げている。
住友ファーマ個別財務諸表における連結子会社からの配当の経理処理に関する指摘については、「2026年3月期にSMPS社(Sumitomo Pharma Switzerland GmbH)から受けた配当総額は1645億円であり、当社の個別財務諸表では、日本の会計基準に基づき次の通り処理している」と見解を正している。
◆1162億円:住友ファーマが保有するSMPS社株式の帳簿価額から減額
◆483億円: 受取配当金として当社損益計算書に計上
「この処理の結果、2026年3月期末の当社貸借対照表に計上された関係会社株式は、前期末から1095億円減少しており、前述の会計処理と整合している。従って、住友ファーマの個別財務諸表に不整合はない」と断言する。
なお、GCRのレポートに記載された1640億円は、「住友ファーマが認識する配当総額1645億円を概数で示したものと理解している」
また、同配当の対象となった資産は、「2025年8月に実施した米国基幹3製品等に関連する資産のグループ内譲渡に伴い、SMPS社が取得した住友ファーマに対する債権である。一連の取引はグループ内取引であり、連結財務諸表上は消去されるため、連結財務諸表への影響はない」
従って、同配当を公募増資等の資金調達に向けた利益創出策とするGCRレポートの主張は、「取引の実態および会計処理を正しく反映したものではない」と結論付けている。
GCRが指摘する「住友ファーマの財務報告プロセスおよび会計監査人による監査意見」については、「法令および適用される会計基準に従った適正な財務報告を行うため、社内規程に基づく承認手続ならびに経理・財務部門による検証およびレビューの体制を整備している」と説明。
また、重要なグループ内取引および組織再編等については、「関係部門による検討と所定の社内承認手続を経て実施している。さらに、海外子会社を含むグループ各社との連携の下、財務情報を収集・検証する体制を構築しており、重要な会計上の論点は、必要に応じて外部専門家の助言も踏まえて判断している」
加えて、住友ファーマの連結財務諸表および個別財務諸表は、「金融商品取引法および会社法に基づき、当社の会計監査人である有限責任あずさ監査法人による監査を受けており、2026年3月期の連結財務諸表および個別財務諸表について無限定適正意見を受領している」と正当性を強く主張している。

