処方箋集中率と地域貢献関連性調査で「どの薬局も地域医療に不可欠な実態」確認 大阪府薬伊藤憲一郎会長

伊藤氏

 大阪府薬剤師会は5日、同会館で定例記者会見を開催し、伊藤憲一郎会長が6月に実施した「令和8年度処方箋集中率と地域貢献の関連性調査」について言及。「大阪府内3427軒の会員薬局の内1765軒から回答を得た。その結果、集中率が高いイコール地域貢献が低いという単純な構図ではないことが判明した」と強調。その上で、「都市部の薬局も含めて地域医療に不可欠な実態が示された」と訴求した。
 7月28日に発生した熊本地震への対応では、「地震発生翌日に災害対策本部を立ち上げ、被災地の情報収集を進めるとともに、モバイルファーマシーの出動準備を整えている」と報告し、「関係団体と連携しながら、必要な支援を迅速に進めていく」考えを示した。
 伊藤氏は、7月17日に大阪市、24日に大阪府に対して行った令和9年度予算要望についても説明。7月21日に大阪市より薬機法違反の行政処分を受けた「そうごう薬局 今福つるみ店」の事案にも触れ、「薬局運営の根幹に係る重大な内容であり、極めて重く受け止めている」と断罪し、会員薬局に対して「法律順守の徹底や薬剤師の倫理観の強化を改めて周知徹底した」ことを明らかにした。
 令和8年度診療報酬改定において、都市部にあり、かつ特定の医療機関からの処方箋集中率が高い薬局については運営が効率的であり、小規模乱立の状況も含め、適正化の必要性が指摘された。
 だが、都市部に立地するという条件だけをもって、地域医療を支える保険薬局の必要性を判断することはできない。大阪府薬では、昨年末と同様に、会員保険薬局が日常的に担っている地域活動や連携の実績を把握し、地域医療への理解と評価の促進につなげることを目的に6月15~22まで「令和8年度処方箋集中率と地域貢献の関連性調査」を実施した。調査結果は、次の通り。

 調査では、大阪府内の会員保険薬局においては、いずれの薬局も種々の地域貢献を行っており、政令指定都市、中核市または一般市に区分し比較した結果からも地域差は認められなかった。
 また、処方箋集中率85%により区分し、地域に貢献している薬局の日常業務の比較したところ、在宅医療、24時間対応、医薬品提供体制の維持または多職種連携など地域医療を支える幅広い取り組みについては、「処方箋集中率によらず、いずれの薬局においても継続して実施している」(羽尻昌徳副会長)ことが判明した。
 麻薬の調剤、学校薬剤師または休日診療所への出務状況については、若干の差はあるものの、地域医薬品提供体制の構築及び確保のための整備並びに薬局間分譲または災害時用備蓄医薬品への協力など、地域医療を支える基本的な機能については大きな違いは認められなかった。
 羽尻氏は、「薬局が果たす役割は、処方箋集中率または都市部、中核市などの地域に基づく立地により評価できるものではなく、薬局は地域特性に応じ、住民の健康と医療を支えていることが本調査からも示されている」と強調。
 今後も、「地域の実情に応じた多様な薬局機能について適切に評価されるよう、大阪府薬としても取り組みを推進してくことが重要である」と訴えかけた。
 大阪府・大阪市への予算要望では、①府民・患者の健康を守るために必要な医療を確実かつ十分に提供するための財源確保、②薬局における石油関連製品の受給不足に対する支援、③災害時、新興感染症等の感染拡大時の医薬品提供体制の整備並びに薬剤師の参画、④地域医薬品提供体制の構築・実現に対する支援、⑤女性健康支援(プレコンセプションケア等)における薬局・薬剤師の積極的な活用、⑥地域医療構想(第9次医療計画)など、18項目について要望した。
 なお、⑤、⑥の要望は今回が初めて。また、大阪市に対しては、教育委員会における「学校保健技師」職(薬剤師)の設置についても要望された。
 総合メディカルが運営する「そうごう薬局 今福つるみ店」の事案は、処方箋がない状態での処方箋医薬品の交付や、医師の同意が不十分な状態での変更調剤等の違法行為が複数に渡って回行われていたというもの。7月21日付で大阪市より19日間の業務停止処分を受けた。
 伊藤氏は、「処方箋の取り扱い、調剤の安全性確保、薬局管理者の監督義務といった薬局運営の根幹に係る重大な内容であり、極めて重く受け止めている」と断罪。その上で、「大阪府薬の会員薬局に対し、法律順守の徹底や薬剤師の倫理観の強化を改めて周知徹底した」と述べた。


 

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