後藤厚労大臣らが新型コロナワクチン国内製造拠点の光工場を視察 武田薬品

左から岩崎真人武田薬品代表取締役日本管掌、後藤茂之厚労大臣        

 武田薬品は23日、新型コロナワクチンの国内製造拠点である武田薬品光工場(山口県光市)の政府・行政関係者向け現地説明会を実施したと発表した。
 現地説明会では、後藤茂之厚生労働大臣ら政府関係者ならびに行政関係者が「ヌバキソビッド筋注」の製造ラインを視察した。
 同社は、米国ノババックスから製造技術のライセンス供与を受け、技術移転を行い、武田薬品光工場で新型コロナウイルス感染症ワクチン「ヌバキソビッド筋注」を製造している。
 同ワクチンは、2022年4月19日に厚労省より製造販売承認を取得。5月25日に予防接種法で定められた新型コロナワクチンの臨時予防接種に係る法令等の改正を経て、特例臨時接種として初回免疫(1、2回目接種)および追加免疫(3回目接種)を行う場合に使用するワクチンに指定されま。
 光工場で製造された国産ワクチンの供給が始まっており、5月下旬から全国で接種されている。
 ワクチンは、光工場開設当時より主要製造品のひとつである。そのため、長年のワクチン生産の歴史において、同社は継続的に政府から協力と助成金提供を得て、最先端の生産設備を完備してきた。
 新型インフルエンザワクチンに関する財政支援事業により2010~2018年に合計約335億円の助成金を受領し、その資金により2018年にはワクチン製造エリアの拡張を完了していた。
 新型コロナウイルス感染症ワクチン「ヌバキソビッド筋注」に関しては、厚労省のワクチン生産体制等緊急整備事業および国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のワクチン開発推進事業により、ノババックスの新型コロナウイルス感染症ワクチンを光工場で生産するための技術移転・生産設備の整備・供給及び研究開発に係る助成を受けている。この助成により、迅速なワクチン開発と供給につなげることができた。

◆岩﨑真人武田薬品表取締役日本管掌のコメント
 第二次世界大戦直後に開設した光工場が初めて出荷した製品は、当時日本で問題となっていた発しんチフスに対するワクチンであった。
 その後も日本脳炎、麻しん、風しん、おたふくかぜなどに対する小児定期ワクチンを中心に、近年では新型インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスに対する危機管理ワクチンまで、現在6種のワクチンを光工場で製造しており、官民連携の歴史と共に現在まで日本の防疫行政の一端を担っている。
 新型コロナウイルス感染症については、国内製薬企業として当社が、そしてこの光工場が感染拡大防止に貢献していることを誇りに思う。同時に、高品質なワクチンを安定供給し続ける責務への意を一層強めている。

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