ファセンラ 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症P3試験で主要評価項目を達成 アストラゼネカ

 アストラゼネカは19日、ファセンラ(一般名:ベンラリズマブ、遺伝子組換え)について、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)のP3試験(MANDARA試験)で主要評価項目を達成したと発表した。
 MANDARA試験は、一定用量の免疫抑制療法の併用または非併用下で経口ステロイド(OCS)を投与されている好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)患者を対象としたもので、ファセンラが同試験の主要評価項目を達成し、EGPAの寛解率においてメポリズマブに対する非劣性を示した。
 MANDARA試験は、EGPA を対象とした生物学的製剤の初めてのP3相直接比較試験で、ファセンラの有効性および安全性について、現在承認されている唯一の治療薬であるメポリズマブと比較した試験だ。
 この盲検試験では、4 週間ごとに、ファセンラ 30 mg を単回皮下注射する群、またはメポリズマブ 100 mg を 3 回皮下注射する群のいずれかに患者を無作為に割り付けた。
 EGPAは、小型から中型の血管の炎症によって引き起こされるまれな免疫介在性の血管炎である。 EGPA 患者の約半数は成人発症型の重症好酸球性喘息(SEA)を併発している。EGPAは、肺、皮膚、心臓、消化管、神経などのさまざまな臓器に損傷を引き起こす可能性があり、時間の経過とともに蓄積し、治療を行わなければ死亡に至る場合もある。
 同試験におけるファセンラの安全性および忍容性プロファイルは、ファセンラの既知のプロファイルと一致していた。
 MANDARA試験の詳細な結果については、今後の医学学会で発表するとともに、各国の保健当局とデータを共有する予定である。
 ファセンラは、好酸球の表面に発現するインターロイキン-5(IL-5)受容体 α に直接結合するモノクローナル抗体。ナチュラルキラー細胞を引き付けて、アポトーシス(プログラム細胞死)を誘導し、ほとんどの患者の血液中および組織中の好酸球を直接的に除去する。
 ファセンラは、現在、SEAの追加維持療法として米国、EU、その他複数の国で承認、および気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症または難治の患者に限る)として日本で承認されている。
 さらに、米国、EU およびそのその他複数の国では自己投与が承認されている。2018年、FDAはファセンラに対し、EGPAの治療薬としての希少疾病用医薬品指定ODDを付与した。
 アストラゼネカは、今後も好酸球が関与していると予想される多くの疾患の治療薬として、重症喘息領域から更なるファセンラの可能性を追求し続ける。

◆Michael Wechsler治験責任医師のコメント
 現在、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の患者さんの治療選択肢は限られているが、患者さんは深刻な症状に直面しており、治療を受けなければ死に至る可能性さえある。この試験は、月1回の注射による生物学的製剤の投与により、現在の標準治療に遜色ない寛解率を達成することができることを示しており、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の治療選択肢としてのベンラリズマブの重要性を高めるものである。

◆Sharon Barrアストラゼネカバイオ医薬品開発部門エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 MANDARA試験の良好な結果は、ファセンラにより、患者さんがこの消耗性の炎症性疾患の寛解を達成することができることを示している。
ファセンラはユニークな作用機序を有し、好酸球を直接標的とする医薬品で、月1回の皮下注射により患者さんの利便性も高くなる。

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