食道炎治療薬やデング熱ワクチンなど期待のパイプライン公表  武田薬品

 武田薬品は、ウェーブ1パイプラインの市場機会に関するカンファレンスコールで、今後10年において同社売上収益成長に大きく貢献する見通しのパイプラインポートフォリオの最新情報を公表した。
 同社は、2019年度から2030年度の売上収益の年平均成長率として1桁台前半(技術的成功確率調整後2)を見込んでいるが、1桁台半ばの年平均成長率で2030年度までに5兆円(470億米ドル)の売上収益達成を掲げている。
 売上収益成長の大部分は、ベスト・イン・クラス/ファースト・イン・クラスの治療薬となりうる独自の12の新規候補物質を含むウェーブ1パイプラインおよび、現有の14のグローバルブランドによってもたらされるものと考えている。
 ウェーブ1パイプラインのうち5件は米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を、3件はFDAよりファストトラック指定を受けている。
 さらに、1件は日本の厚生労働省の先駆け審査指定制度の対象品目に指定されており、他の1件は、中国国家食品薬品監督管理局より初めての多国籍バイオ医薬品企業に対するブレークスルー指定を受けている。

ウェバー 氏


 クリストフ・ウェバー武田薬品代表取締役社長CEOは、「当社のビジョンは、患者、従業員、そして地球に対する取り組みを通じ、生活を一変させる治療薬を創出して届けすることである」と明言。さらに、「当社は、アンメットメディカルニーズの高い疾患の患者さんに対する治療薬や予防薬を創出し、世界中の患者に届けることに注力するための高い基準を設定しており、当社のウェーブ1パイプラインは、まさにこの基準を体現したものである」とコメントしている。
 武田薬品は、カンファレンスコールにおいて、好酸球性食道炎に対する初のFDA承認治療薬となる可能性があるTAK-721およびデング熱予防の4価弱毒生ワクチンであるTAK-003について重点的に紹介した。
 さらに、Entyvioなどのグローバルブランドの持続的な勢いある成長および上市成功を確実にする手助けとなる実績を紹介した。
 武田薬品は、世界レベルで最先端の研究開発体制を構築し、臨床段階にある多様でダイナミックな約40の新規候補物質を創出し、まもなくお届けを開始する予定である。
 12のすべてのウェーブ1パイプラインについて、重要なデータ読み出しや重要な臨床試験開始などの開発後期のマイルストン達成が近い将来見込まれている。
 同社は、人生を一変させるこれらの治療薬を世界中の患者に届けるためのコマーシャルエクセレンス強化に向け、データからの有益な知見の理解やデータ分析などのグローバルでの能力、患者サービス、エビデンス構築を拡大してきた。
 ウェーブ1パイプラインのほか、社内の研究能力と現在進行中の200以上の外部とのパートナーシップからなる同社の研究体制を通じ、武田薬品は、2025年度以降の持続的成長につながるウェーブ2パイプラインにおいて次世代治療薬の創出を着実に進めている。
 ウェーブ2パイプラインは、同社の重点疾患領域全体にわたるアンメットニーズの高い患者に対する、劇的な改善や治癒の可能性のある治療薬で構成されている。これらの新規候補物質は、ヒトでの有効性が明確に確認された多様なモダリティ(創薬手法)ならびに細胞治療や遺伝子治療、データサイエンスにおける新規基盤技術を駆使して開発している。
 TAK-721およびTAK-003の概要は次の通り。

◆TAK-721(ブデソニド経口懸濁液)
 TAK-721は、好酸球性食道炎の治療薬として開発されたブデソニドの粘膜付着性局所粘性製剤で、承認された場合は、好酸球性食道炎に対する初のFDA承認治療薬となる見込み。同薬の製品名はEohilia(一般名:ブデソニド経口懸濁液)を予定している。
 現在までに、TAK-721はFDAからブレークスルーセラピー指定およびオーファンドラッグ指定の両方を受けている。TAK-721の好酸球性食道炎を対象とした開発プログラムは、米国で最初かつ最大の臨床第3相試験であり、若年・成人(11~55歳)の好酸球性食道炎患者さんを対象に本薬の安全性および有効性を検証したORBIT1およびORBIT2試験を含んでいる。ブレークスルーセラピー指定およびオーファンドラッグ指定を受けても、承認および上市を保証するものではない。

◆TAK-003
 4価デング熱ワクチン(TAK-003)は、血清反応陰性者(デングウイルス感染歴がない方々)の保護や入院の予防など、デング熱をコントロールするうえで主要な優先課題はもとより、グローバルで大規模な脅威への対処に寄与する可能性がある。TAK-003は、4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の“バックボーン”として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースに構築されている。TAK-003開発プログラムは臨床第3相試験であるTIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)を含む。二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験であるTIDES試験は、小児・若年被験者を対象とし、4種すべての血清型によって引き起こされる、ウイルス検査レベルで感染が確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防において、TAK-003を2回接種した際の安全性および有効性を評価している。
 TIDES試験は継続進行中であり、引き続き合計4.5年間にわたり安全性および有効性を検討する。デング熱は、最も急速に感染が拡大している蚊媒介感染症で、世界保健機関(WHO)は、2019年のグローバルヘルスに対する10の脅威の1つにデング熱を挙げている。
 武田薬品は、第2回目として、2021年4月6日にウェーブ1パイプラインに関する最新情報を提供する予定(日程は変更になることがあります)。当日は、TAK-925/994の詳細およびオンコロジー関連の最新情報を発表する。

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