GADの早期発見・適切な受診支援で医療AI活用疾患啓発プロジェクト開始 ヴィアトリス製薬とUbie

 ヴィアトリス製薬と医療AI企業のUbieは28日、一般人向け全般不安症(GAD)の認知拡大とGADの可能性のある患者の適切な受診行動の支援を目的に、医療AIパートナー「ユビー」を活用した疾患啓発プロジェクトを開始したと発表した。
 GADは、慢性的な不安や心配を主たる症状とする疾患であるが、患者はそういった症状を自身の性格的な問題と捉え、病気と認識しづらい課題がある。
 従来の疾患啓発では、こうした「自分が病気だと気づいていない」潜在的な患者に情報を届けることは困難であった。
 同プロジェクトでは、GADに対する日本初の治療薬としての承認を取得するなどGADにおける専門的知見を持つヴィアトリス製薬と、月間1300万人以上が利用するUbieの”症状起点”で生活者に情報提供できるAIプラットフォームを組み合わせることで、これまで適切な医療情報にアクセスできなかった潜在患者層への新たな接点を創出する。
 GADは学校や仕事、家庭内での出来事など、日常の様々なことに対して慢性的にコントロールできない過剰な「不安」や「心配」を中心症状とする疾患である。
 不安や心配に加えて、十分な睡眠がとれなくなったり、筋肉が緊張して凝ったりなどの身体症状や、落ち着かない、疲れやすい、イライラする、集中できなくなることで、生活や仕事において深刻な機能障害を起こす場合がある。
 WHOの報告によると、日本におけるGADの生涯有病率は2.6%と報告されており、自己記入式質問票であるGAD-7を使用した最近の研究では、疑いを含むGAD(GAD-7スコアが10点以上)の有病率が7.6%であると報告されている。だが、GADに罹患した経験がある人のうち、医療機関で治療を受けたことのある人の割合は30.9%と報告されており、多くの患者が適切な診断・治療を受けていない可能性が示唆されている。
 また、GADは、動悸、頭痛、胃腸の不調、筋肉の緊張や凝りといった「身体症状」が前面に出ることもあるため、患者さんは内科や整形外科などを受診するケースもある。こうした状況では、背景にあるGADが見落とされ、適切な診断・治療に至るまで時間を要する場合がある。従って、GADへの理解を広げ、早期発見と適切な治療につなげることが重要となる。
 これまで日本にはGADに対して承認された治療剤はなかったが、3月23日にセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤の「イフェクサー」(一般名:ベンラファキシン塩酸塩)が国内での「全般不安症」の適応追加に対する承認を取得し、日本で初めてGADに対する治療剤となった。
 この新たな治療選択肢の登場に伴い、今まで自身の症状を性格ととらえて我慢してきた人、症状に気づきながら受診をためらっていた人に対するGADの情報アクセスへのニーズが高まることが予想される。
 同プロジェクトは、Ubieが提供する生活者向けサービス「ユビー」を活用し、GADに関連する症状(不安、心配、動悸、不眠、倦怠感など)を持つ人に、疾患に関する詳しい情報を提供することで医療機関への適切な受診行動の支援と疾患認知度の向上を目指すもの。
 具体的には、「漠然とした不安が続く」「眠れない」「疲れやすい」といった症状をユビーに入力すると、AIがGADを含む関連疾患と、相談できる近隣の医療機関の情報を提供する。
 これにより自身の不調から、早期に適切な医療機関を受診することを目指す。
 両社は、ヴィアトリス製薬がこれまで培ってきたGADをはじめとする精神疾患領域での知見とUbieが保有する医療AI技術を掛け合わせることで、GADの患者さんが早期に適切な医療を受けられるよう情報提供や受診サポートを強化し、患者のQOL向上と社会全体の健康促進に一層貢献していく。

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