イミフィンジ、小細胞肺がん治療薬としてCHMPが承認勧告 アストラゼネカ

 アストラゼネカは3日、欧州連合(EU)においてイミフィンジに対し、エトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチンとの併用療法で、成人の進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の一次治療薬として、製造販売承認が勧告された発表した。
 小細胞肺がん(SCLC)は悪性度が高く増殖の速いがんであり、化学療法で奏効が認められたとしてもしばしば再発し、急速に進行する。
 今回の欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解は、イミフィンジと化学療法との併用療法を検討したP3試験(CASPIAN試験)結果に基づくもの。同試験の結果は、Lancet ( https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2819%2932222-6/fulltext ) 誌にも掲載されている。
 CASPIAN試験において、イミフィンジと化学療法との併用療法が、化学療法単独との比較で、ES-SCLC患者の一次治療において統計学的に有意で臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長が認められ、死亡リスクを27%低下させた(ハザード比:0.73;95%信頼区間 0.59 – 0.91;p=0.0047)。
 また、イミフィンジと化学療法との併用療法群では、客観的奏効率(Confirmed)の増加(化学療法単独58%に対して、イミフィンジと化学療法との併用療法群68%)が示され、化学療法にイミフィンジを追加することで、肺がん関連の症状が悪化するまでの期間が延長することが示された。
 最新の解析データ ( https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2020/2020060802.html ) では、追跡期間中央値が2年を超えた時点でも、イミフィンジと化学療法との併用療法による持続的な有効性が示された(OSハザード比:0.75;95% 信頼区間 0.62 -0.91;p=0.0032(名目上))。イミフィンジと化学療法との併用療法の安全性および忍容性は、これらの医薬品の既知の安全性プロファイルと一致していた。また、イミフィンジの投与に関連したイミフィンジに対する抗薬物抗体が陽性の患者さんは認められなかった。
イミフィンジとエトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチンとの併用療法は、一次治療でのES-SCLCの治療薬として、米国および世界中の数カ国で承認されており、現在日本および各国で薬事承認審査中である。ES-SCLCに対するイミフィンジの適応は本邦では未承認である。

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