MSDは22日、ウィンレベアの2つの用量(0.3 mg/kgおよび0.7 mg/kg)について、P2相CADENCE試験で肺血管抵抗(PVR)の変化量の主要評価項目を達成し、肺から心臓への血行動態を有意に改善したと発表した。
CADENCE試験は、左室駆出率の保たれた心不全に伴う混合性毛細血管性肺高血圧症(CpcPH-HFpEF)を有する成人患者における有効性、安全性、忍容性を評価するもの。
この明確に定義された患者集団において、ウィンレベアはプラセボ(n=55)に対し24週時の肺血管抵抗(PVR)がベースラインから統計学的に有意かつ臨床的に意味のある低下を示し、0.3 mg/kgの用量では1.02 Wood単位の低下(n=54、[95% CI, -1.81, -0.23]、p=0.004)、0.7 mg/kgの用量では0.75 Wood単位の低下(n=55、[95% CI, -1.52, 0.03]、p=0.024)が認められた。
重要な副次評価項目(詳細は後述)は、6分間歩行距離(6MWD)、心エコー検査の値、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値、および臨床的悪化までの時間(TTCW)であった。
この最新のデータは同日、ACC.26、米国心臓学会学術集会で発表され、同時にCirculationに掲載された。
POCおよび異なる用量を評価するためにデザインされたP2試験において、ウィンレベア0.7 mg/kgを投与した患者では6MWDが5.8メートル延長したが、統計学的な有意水準には到達しなかった(95% CI, -17.3, 28.9)。
その後の副次評価項目は、事前に規定された階層的検定手順に従い、正式には検定されなかったが、ウィンレベア0.3 mg/kgを投与した患者では6MWDがベースラインから20.3メートル延長した(95% CI, 1.5, 39.1)。
これらの副次評価項目をプラセボと比較して評価したその他の24週時解析データは次の通り。
平均肺動脈圧(mPAP)がベースラインから低下。ウィンレベア0.3 mg/kg群では-9.19(95% CI, -13.00, -5.38)、ウィンレベア0.7 mg/kg群では-9.22(95% CI, -12.97, -5.46)肺動脈楔入圧(PAWP)がベースラインから低下。
ウィンレベア0.3mg/kg群では-3.04(95% CI, -5.77, -0.32)、ウィンレベア0.7mg/kg群では-2.53(95% CI, -5.33, 0.28)NT-proBNP値がベースラインから低下。ウィンレベア0.3mg/kg群では-344 pg/mL(95% CI, -656, -31)、ウィンレベア0.7 mg/kg群では-402pg/mL(95% CI, -846, 42)初発の臨床的悪化イベントまでの時間が延長。 ウィンレベア0.3mg/kg群(HR: 0.18 [95% CI, 0.05, 0.62])、ウィンレベア0.7 mg/kg群(HR: 0.59 [95% CI, 0.25, 1.36])CpcPH-HFpEFで認められた安全性プロファイルは、肺動脈性肺高血圧症(PAH)でこれまでに認められているウィンレベアの安全性プロファイルと概ね一貫していた。
◆肺高血圧症プログラム責任者のマルディ・ゴンバーグ氏(ジョージ・ワシントン大学医学・健康科学部の臨床研究Walter G. Ross寄付講座教授)のコメント CpcPH-HFpEFは、進行した心不全患者さんが発症する、明確に定義され、鑑別可能な、十分に特徴が明らかにされた疾患で、主に他の併存疾患がある高齢患者さんに多く見られる。
まれな疾患で、診断において見過ごされがちでありながら、死亡率が高く、CpcPH-HFpEFに特化して承認されている治療選択肢はない。P2相CADENCE試験の結果では、ウィンレベアは本疾患群において肺血管および心臓に直接作用することが示され、臨床的に意味のある改善につながる可能性がある。このPOCのデータにより、P3試験でさらなる評価を行う妥当性が明確に示されている。
◆マヘシュ・パテルMSD研究開発本部グローバル臨床開発担当バイスプレジデントのコメント
CADENCE試験の複数の評価項目における総合的なエビデンスと一貫した傾向から、CpcPH-HFpEFを対象とし、ウィンレベアを承認申請に向けたP3相プログラムに移行することが妥当であることが示された。
いずれの用量でも有効性が示されていますが、CADENCE試験の結果によると、CpcPH-HFpEF患者群において、0.3 mg/kgの用量がウィンレベアのベネフィットリスクバランスを最適化する可能性がある。当社は、この患者集団のニーズに最も沿った臨床アウトカムに焦点を当てた評価項目による承認取得に向けたP3試験のデザインについて規制当局と協議を進めており、最終的にはCpcPH-HFpEFに対して初の治療選択肢を提供することを目指している。

