欧米でオプジーボと化学療法の非小細胞肺がん術前、オプジーボによる術後補助療法の申請受理 小野薬品

小野薬品は8日、オプジーボと化学療法の併用療法について、米国及び欧州で切除可能なステージⅡA~ⅢBの非小細胞肺がん(NSCLC)による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボによる術後補助療法の申請を申請受理されたと発表した。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が7日に公表したもの。
 米国FDAは、この生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理し、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了の目標期日を2024年10月8日に設定た。
 一方、欧州医薬品庁(EMA)は、1月下旬に一部変更承認申請を受理し、EMAへの申請資料の提出の完了が確認され、EMAによる中央審査が開始される。
 今回の申請は、P3相CheckMate-77T試験の結果に基づくもの。同試験は、切除可能なNSCLC治療において免疫療法薬を含む併用療法による当社の2つ目の肯定的なP3無作為化試験であり、同試験の主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
 同試験では、主たる副次有効性評価項目である病理学的完全奏効(pCR)およびMajor Pathological Response(MPR)でもベネフィットが示された。
 また、この周術期療法のレジメンの安全性プロファイルは、NSCLCを対象とした試験でこれまでに報告されているものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
 CheckMate -77T試験のEFS、pCRおよびMPRの結果は、2023 年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)会議で発表された。同試験は、もう1つの副次評価項目である全生存期間(OS)を評価するため進行中である。
 現在までに、オプジーボ単剤療法とオプジーボを含む併用療法は、肺がん、膀胱がん、食道/胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫の4つのがん腫の術前補助療法、術後補助療法または周術期療法においてさらに有効性を示している。

◆Abderrahim Oukessou BMSバイスプレジデント兼胸部がん領域グローバル開発担当(M.D.)のコメント
 非小細胞肺がんの手術を受けた患者さんの30%~55%が再発する。我々は、特に初期段階のがんを含む複数のがん腫の治療に対する包括的なアプローチの一環として、切除可能ながん患者さんのアウトカムを改善する治療選択肢を拡大するよう取り組んでいる。
 当社は、CheckMate-77T試験において、免疫療法薬による術前補助療法が病理学的完全寛解をもたらす可能性、およびオプジーボによる周術期療法ががんの再発を低減し、患者さんの生存期間を延長し得るかを評価した。
 今回の申請受理は、複数の非小細胞肺がん治療においてアンメットニーズへの取組みにおける当社の大きな進展を裏付けるものであり、オプジーボを含む新たな周術期レジメンが患者さんにベネフィットを提供する可能性にまた一歩近づくことになる。

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