新規マラリア予防薬の創出で長崎大、国立感染症研究所、MMVと共同研究契約締結 塩野義製薬

 塩野義製薬は9日、長崎大学、国立感染症研究所、ならびにMedicines for Malaria Venture(MMV)との間で、新規マラリア予防薬の創出を目的とした共同研究に関する契約を締結したと発表した。
 今回の共同研究は、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)に採択され、約3億3000万円の資金の提供を受けて実施される。
 マラリアは、エイズ、結核と並ぶ世界三大感染症の一つだ。マラリアは主に熱帯・亜熱帯地域で流行しているマラリア原虫による感染症で、蚊(ハマダラカ)によって媒介され、年間の感染者数は世界で約2.5億人、死亡者数は約61万人と報告されている。
 予防ワクチンの有効性が十分ではない上、既存の治療薬に耐性を示す原虫が増加してきているため、マラリアは大きな医療ニーズが存在し、人類の脅威として世界的に深刻視されている。
 塩野義製薬と長崎大学は、2019年2月に「マラリアを中心とした感染症分野における包括的連携」に関する協定を締結し、これまでマラリアの予防および治療に関する研究を進めてきた。2023年3月には、新規マラリア治療薬の創出に関する塩野義製薬・長崎大学・MMVとの共同研究がGHIT Fund による採択を受けている。
 今回の契約締結により、塩野義製薬・長崎大学・国立感染症研究所・MMVの4者は連携して新規マラリア予防薬の研究ならびに開発候補品の創出に向けて取り組んでいく。

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