英国UK DRIと認知症領域で共同研究契約締結 小野薬品

 小野薬品は20日、認知症等の神経変性疾患の研究を行う英国の国立認知症研究機構UK Dementia Research Institute(UK DRI、英国ロンドン)と認知症領域における新規治療標的分子の同定を目的とする共同研究契約を締結したと発表した。
 今回の提携では、同社のオープンイノベーション推進の一環として、認知症の診断、予防および治療に係る新規標的分子を同定するために、複数年にわたる共同研究を開始する。
 小野薬品は、UK DRIに所属する研究者に対して、同社の注目研究領域であるグリア細胞が関与する疾患や神経炎症領域などを中心に研究テーマを募集する。
 その中で優れた研究テーマを採択し、認知症治療薬の新規標的を同定する共同研究に資金を提供する。同共同研究期間中は、小野薬品の神経領域におけるノウハウや知見を活用しながら共同研究を推進する。
 同共同研究を通じて、多様なタイプの認知症の新しい治療標的分子を同定するとともに、これらのメカニズムの解明に向けた探索研究を行う。
 同共同研究から同定された新規治療標的分子については、小野薬品でその標的分子に対する医薬品候補化合物を創製し、新たな認知症治療薬の開発、商業化に向けて取り組んでいく。
 小野薬品は、がん、免疫、神経領域を創薬の重点領域として、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいる。同社は、「オープンイノベーション」を積極的に推進することにより、数々の革新的な医薬品を創出してきた。
 今後も、オープンイノベーションによる独自の創薬アプローチをベースにグローバルスペシャリティファーマを目指して、革新的な医薬品の創製に取り組んでいく。
 UK DRIは、英国内の6つの著名な大学から世界の認知症研究をリードする研究者を集め、アルツハイマー型認知症をはじめとした種々の認知症の治療法の提供を目指す国立研究機関である。
 750名以上の研究者が所属し、マルチオミクス(遺伝子、蛋白質、代謝物などの複合解析手法)、iPS細胞やデータサイエンスなどの最先端の技術を使って認知症の発症機構の解明や治療法の開発を行っている。

◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
 世界最先端の研究能力および研究連携体制を持つUK DRIと協働できることをうれしく思う。今回のパートナーシップにより、認知症の新たな創薬標的の同定に繋がることを期待している。

◆Kay Penicud UK DRI Innovation&Business部門ディレクター(博士)のコメント
 認知症に対する革新的な新薬の研究開発に取り組む小野薬品と提携できることをうれしく思う。今回の戦略的提携は両者の創薬研究および医薬品開発におけるお互いの能力を補完するものであり、新たな研究の臨床応用を加速し、認知症患者さんが切望している治療に近づけるものと期待している。

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