米国FDAが悪性黒色腫適格患者の術後補助療法でオプジーボ承認 小野薬品

 小野薬品は17日、オプジーボについて、米国FDAが根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫の適格患者に対する術後補助療法としてオプジーボを承認したと発表した。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が13日に公表したもの。
 術後補助療法として既承認のオプジーボの適応を拡大するもので、悪性黒色腫患者に対して治療選択肢を提供するというBMSの実績がより強化された。
 同承認は、オプジーボ(526例)とプラセボ(264例)を比較評価したP3相CheckMate-76K試験に基づいている。
 同試験において、オプジーボは、プラセボと比較して、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者における再発、新たな原発悪性黒色腫の発症、または死亡のリスクを58%低減した(ハザード比 [HR] 0.42;95% 信頼区間 [CI]:0.30-0.59;P<0.0001)。
 1年時点の無再発生存(RFS)率は、オプジーボ群で89%(95% CI:86-92)、プラセボ群で79%(95% CI:74-84)であった。
 また、あらかじめ計画された探索的サブグループ解析において、RFSの非層別HRは、ステージⅡBの悪性黒色腫患者で0.34(95% CI:0.20-0.56)、またステージⅡCの悪性黒色腫患者で0.51(95% CI:0.32-0.81)であった。
 ステージ別の1年RFS率は、ステージⅡBではオプジーボ群で93%(95% CI:89-95)、プラセボ群で84%(95% CI:77-89)、またステージⅡCではオプジーボ群で84%(95% CI:78-88)、プラセボ群で72%(95% CI:62-80)であった。
 オプジーボの「警告および注意」には、次の事象が含まれている:重度かつ致死的な免疫介在性副作用(肺臓炎、大腸炎、肝炎および肝毒性、内分泌障害、皮膚関連副作用、腎機能障害を伴う腎炎、その他の免疫介在性作用を含む)、infusion reaction、同種造血幹細胞移植(HSCT)の合併症、胎児毒性、および多発性骨髄腫患者におけるサリドマイド類似体とデキサメタゾンの併用療法にオプジーボを追加投与した際(比較臨床試験以外では推奨されません)の死亡率の増加など。
 FDAはこれまでにCheckMate-238試験のデータに基づき、リンパ節転移を伴うまたは転移性悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児患者の根治切除後の術後補助療法として、オプジーボを承認している。
 CheckMate-76K試験の追跡調査の最新のデータは、11月に開催されるSociety for Melanoma Research(SMR)年次総会で発表予定である。

◆John M. Kirkwoodピッツバーグ大学医学部内科特別教授(UPMCヒルマンがんセンター悪性黒色腫センター共同所長、M.D.)のコメント
 悪性黒色腫の外科的切除後、患者さんは病気が治ったと思われるかもしれない。だが、外科的切除を受けたステージⅡBの悪性黒色腫患者さんの3分の1、ステージⅡCの患者さんの半数近くが診断から5年以内に再発するため、がんの再発リスクを低減するのに役立つ新たな治療選択肢が必要とされている。
 CheckMate-76K試験で示されたオプジーボによる無再発生存期間の有意な改善は、これらの患者さんにとって重要な進展であると言える。

◆Catherine Owen BMSシニアバイスプレジデント兼米国心血管、免疫、がん領域担当ゼネラルマネージャーのコメント
 ステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者さんは、手術を受けてもなお再発のリスクに直面する可能性があり、それによって予後が左右される場合がある。
 同承認は、根治切除後のステージⅢおよびⅣの悪性黒色腫に対する既承認の術後補助療法の適応を拡大するもので、根治切除後のステージⅡB/Cの適格患者さんに再発を予防するのに役立つ新たな治療選択肢を提供するものである。
 BMSは、悪性黒色腫患者さんの予後を改善するのに役立ち、がんの早期ステージを含むより多くの患者さんに免疫療法を提供するという目標に向けて、引き続き取組んでいく。

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