肝疾患の新規治療薬開発に向けRibo 社と提携 べーリンガーインゲルハイム

 べーリンガーインゲルハイムは18日、非アルコール性または代謝異常関連脂肪性肝炎(NASH/MASH)の新規治療薬開発に向けてRibo社と契約を提携したと発表した。Ribo社は、RNAi技術に基づいて核酸医薬品および関連製品の開発に取り組む革新的な臨床研究開発企業だ。
 同提携により、低分子干渉 RNA(siRNA)治療薬の開発および臨床開発におけるRibo社のトップクラスの実績と、心・腎・代謝疾患と共に生きる人々の生活向上を目指すべーリンガーインゲルハイムの取り組みが融合する。
 同契約条件に基づき、Ribo 社は契約一時金を受け取る。このマルチターゲット共同研究において、Ribo 社は臨床的、薬事的、商業的成功に基づくマイルストーンと段階的ロイヤルティを受け取る権利を有し、全体的な契約額は20億ドルを超える。
 NASH は肝臓に脂肪が蓄積することによって引き起こされる炎症性肝疾患である。世界中で4億4000万人以上が罹患していると推定されている。NASH は、徐々に瘢痕組織の形成を引き起こし、多くの場合、肝硬変や、それに関連する肝不全、肝がんなどの重篤な合併症につながる。
 現在、NASHに対して承認された治療薬はなく、NASH の進行を抑制し、肝機能の維持・回復を実現する有効な治療選択肢が緊急に必要とされている。
 Ribo社の最先端のRIBO-GalSTARプラットフォームは、メッセンジャーRNA(mRNA)のサイレンシングにより、特に肝細胞中の疾患原因遺伝子を標的とするRNA干渉(RNAi)治療薬の開発を進めることができる。
 このアプローチにより、これまでアクセスできなかった薬剤標的に対処し、疾病を治療できる可能性がある。

◆Søren Tullinベーリンガーインゲルハイムのシニアバイスプレジデント兼心血管代謝研究グローバル責任者(Ph.D.)のコメント
 新たなブレークスルーとなる医薬品を、NASH 患者さんのためにRibo社の研究者と協力して開発できることを楽しみにしている。今回の新たなパートナーシップは、当社が世界中の様々な企業と協力して相互に関連する性質を持つ心腎代謝疾患にアプローチする取り組みの一環である。我々の目標は、患者さんの包括的な健康向上につながる革新的医薬品の新たな波を生み出すことである。

◆Zicai Liang Suzhou Ribo Life Sciences社CEOのコメント
 今回の提携は、Ribo社のプラットフォームに組み込まれた長年の投資と科学的発見が評価されたものである。NASH 患者さんへの新たなソリューションを開発するためにべーリンガーインゲルハイムと協力する機会を得ることができ、たいへん嬉しく思う。

◆Li-Ming Gan Ribocure Pharmaceuticals社CEOのコメント
 べーリンガーインゲルハイムが提供してきたこの分野でのブレークスルーセラピーの実績をさらに積み上げるため、心腎代謝疾患に関する同社の卓越した経験と知識に基づき、今後も連携して取り組んでいきたい。

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