東京海上日動と業界初の「認知症治療支援保険」共同開発　エーザイ

　エーザイは28日、東京海上日動と認知症の早期発見や早期治療について経済的に支援する「認知症治療支援保険」を共同で開発したと発表した。同保険は、認知症との共生社会実現に向けた業務提携の一環として開発されたもの。
　両社は、2019年8月に認知症との共生社会実現に向けた業務提携契約を締結。エーザイが開発した認知機能のデジタルチェックツール「のう KNOW」を東京海上日動が販売する「認知症アシスト付き年金払介護補償」の付帯サービスとして2021年4月より提供を開始するなど、両社の取り組みを進めてきた。
　認知症は、これまでは治療が難しいとされていたが、同疾患の約6割を占めるアルツハイマー病について新たな治療薬が承認され、早期段階での投与により疾患の進行の抑制が期待できるため、認知症の早期発見や早期治療への備えの重要性が増している。
　こうした中、東京海上日動が有する保険商品・関連サービスで培ってきたノウハウに加えて、エーザイの認知症領域における豊富な経験を活用し、認知症の早期発見や早期治療について経済的に支援する新たな保険商品「認知症治療支援保険」を共同で開発した。
　新たな治療薬は、アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度認知症の人が対象となるが、その判断にはアミロイドβ病理の確認を行うPET検査等を受ける必要がある。
　こうした検査・治療には、一定の自己負担を要する。これらを経済的に支援するための補償内容や加入時の流れ、保険料などは次の通り。

◆自己負担の経済的支援の内容

① 軽度認知障害等一時金【早期発見の支援】
　初めて軽度認知障害（含む認知症）と診断確定された場合、アミロイドPET検査の費用等に充てる一時金を支払う。

② アルツハイマー病による軽度認知障害等一時金【早期治療の支援】
　初めてアルツハイマー病による軽度認知障害（含むアルツハイマー型認知症）と診断確定された場合、新たな治療薬による治療費用等に充てる一時金を支払う。
　また、付帯サービスとして、加入者に「のう KNOW」を提供する。認知機能の低下を捉えることで、早期発見・早期治療への導線をサポートする。