ゾコーバの韓国でのEUA申請等で平安塩野義・Ildong社とサブライセンス契約締結 塩野義製薬

 塩野義製薬は16日、平安塩野義香港とIldong社(韓国)の間で、韓国における新型コロナ経口治療薬ゾコーバ(S-217622)の緊急使用許可(EUA)申請、およびEUA下での政府購入交渉に関するサブライセンス契約を締結したと発表した。
 平安塩野義香港は、塩野義製薬とのライセンス契約に基づき、日本を除くアジア諸国におけるゾコーバの独占的な開発・販売権を有している。
 今回のサブライセンス契約締結により、平安塩野義香港はIldong社にゾコーバを導出する。Ildong社は、日本を中心にアジアで実施しているP2/3相臨床試験データをもとに、韓国内でのEUA申請および承認取得後の政府購入を目指し、政府当局との協議を進める。
 また、一定の条件を満たす場合、Ildong社は韓国における製造権の許諾を受け、塩野義製薬および平安塩野義香港の技術支援の下、韓国向け製品の製造を担う。
 なお、Ildong社への技術移管が完了するまでは、塩野義製薬グループより製品を供給する予定である。平安塩野義香港は、同契約に伴う一時金と承認取得後の政府向け販売量に応じた一定の収益を受領する。
 なお、通常の承認申請ならびに販売に関しては、引き続き3社で協議を継続しする。
 同治療薬は、3CLプロテアーゼを選択的に阻害してSARS-CoV-2の増殖を抑制する1日1回、5日間投与の経口抗ウイルス薬で、これまでにウイルスを速やかに減少させる効果、良好な忍容性が確認されている。
 また、症状改善効果については、P2/3相臨床試験P2b partにおいて、副次評価項目として事前に規定した呼吸器4症状(鼻水又は鼻づまり、喉の痛み、咳、息切れ(呼吸困難))の合計スコアの変化量で、プラセボ投与群と比較して有意な低下が確認されている。
 さらに、呼吸器4症状に熱っぽさ又は発熱を加えたオミクロン株感染に特徴的とされる5つの症状1について事後解析を行ったところ、プラセボ群と比較して有意なスコアの低下が確認され、臨床症状への有効性が示唆されている。
 同治療薬の韓国におけるEUAが承認されることで、一日も早く韓国での新型コロナ感染症治療への貢献が期待される。
 なお、同件が2023年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査する。

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