地域包括ケア構築・患者のための薬局ビジョン実現に向けた取り組みに尽力 大阪府薬乾会長

乾氏

 大阪府薬剤師会は13日、同会館で定例記者会見を開催し、乾英夫会長がこれまでの1期2年を振り返り、「新型コロナに対応するための業務が中心となった」と指摘。
 その上で、「府薬会館のIT化による会議や研修会のWebまたはハイブリッド開催、会員薬局・薬剤師がコロナの患者宅に医薬品を届けて服薬指導するなど、しっかりと対応できた」と強調した。
 18日の定時総会終了後の理事会で次期会長に選定された場合にも言及し、「次期執行部では、地域包括ケア構築と患者のための薬局ビジョン実現に向けて進めて行きたい」と抱負を述べた。
 これまでの新型コロナへの対応では、大阪府や市のワクチン接種会場などに会員薬剤師が出動し、ワクチンの希釈や充填、予診票の確認などの業務を遂行。
 さらに、昨年12月からは、薬局が新型コロナの無料検査所の役割を担ったり、医療用の検査キットを販売した。
 自宅療養やホテル療養の新型コロナ罹患者に院外処方箋に基づいた薬剤を届けて服薬指導を行い、緊急訪問薬剤管理指導の評価対象にもなった。同業務の本年2月の実績は5万件以上に上った。乾氏は、「まだ第6波は終息していないが、これらの業務を通して、地域住民の薬剤師業務に対する理解が深まった」と高く評価した。
 緊急時にワクチンの打ち手が不足した場合、薬剤師がその役割を果たすことを目的とした大阪府薬の2022年度「薬剤師のための予防接種に係る研修会」は、6月12日(大阪府薬会館、定員60名)に開催された。今後は、8月7日(同、定員60名)、10月(近畿大学、定員40名)に開催される。
 いづれの研修会も日本薬剤師会が作成した「薬剤師による予防接種研修プログラム」に沿って実施されるもので、今年度は140名の研修修了者が誕生する予定だ。
 今回の140名は、各地域の薬剤師会に人口割で研修人数を割り当てており、各地域で人口7万人に対して1人の薬剤師の予防接種打ち手を養成する。なお、研修修了者は、昨年度の60名を加えて、合計200名になる予定。

堀越氏


 一方、2022年度ICTを活用した業務等に係る薬剤師の資質向上のための研修会は、6月5日に開催され、620名が参加した。研修会では、オンライン服薬指導に係るシステムの紹介も行われ、堀越博一常務理事は、「今後、この分野でどのような支援が可能かを引き続き検討していく」意向を示している。
 また、大阪府薬では、7月1日から9月30日まで、「会員入会キャンペーン」を実施する。同キャンペーンは、積極的な会員数の増員を目的としたもので、今年度も地域・職域薬剤師会の会員薬局等の勤務する非会員薬剤師(B会員)を対象としている。
 キャンペーン期間中は、入会した薬剤師に対して入会金1万円が免除される。堀越氏は、「できるだけ我々の仲間になって頂ける環境を作った。是非本会に入会し、地域薬剤師会にも入ってほしい」と呼びかけた。

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