2剤配合抗エイズ薬ドバト2本のP3試験で好結果  塩野義製薬

 塩野義製薬は15日、1日1回投与の2剤配合錠ドバト(ドルテグラビルおよびラミブジン)のTANGO試験およびGEMINI試験について、それぞれ96週時点および144週時点における良好な結果を得たと発表した。同臨床試験は、グラクソスミスクラインとファイザーとの合弁会社ヴィーブ社が実施しているもの。
 TANGO試験は、テノホビル・アラフェナミド・フマル酸塩(TAF)を含む3剤以上の治療レジメンで6ヵ月以上のウイルス抑制が確認されている成人HIV-1感染患者を対象に、TAFを含む3剤レジメンを継続する場合を対照群として、ドバトへ切り替えた場合の安全性および有効性を比較検討するP3相臨床試験である。
 96週時点でウイルス抑制を維持できなかった患者(血漿中HIV-1 RNA量:≧50コピー/mL)の割合は、DPドバトの2剤レジメン群で1%未満、TAFを含む3剤レジメン群で1%であり、ドバトの2剤レジメン群はTAFを含む3剤レジメン群に対し非劣性を示した。
 また、96週時点でウイルス抑制を維持した患者の割合は、ドバトの2剤レジメン群で86%(317名/369名)、TAFを含む3剤レジメン群で79%(294名/372名)であり、Dovato®の2剤レジメン群は対照群に対し非劣性を示した。さらに、TAFを含む3剤レジメン群では3名(1%未満)でウイルス学的失敗を認めたの対し、ドバトの2剤レジメン群でウイルス学的失敗を認めた患者はおらず、両群ともに治療による薬剤への耐性は生じなかった。
 安全性に関しては、全体的な有害事象の発生率は両群で同等の結果であり、薬剤に起因するグレード2-5の有害事象の発生率はドバトの2剤レジメン群で6% (21名/369名)、対照群で2%(7/371)であった。
 脂質関連パラメータのうち、総コレステロール、低比重リポプロテイン、トリグリセリドの変化はドバトの2剤レジメン群で、高比重リポプロテインの変化は対照群でそれぞれ有意に好ましい値を示した。
 腎機能を示す糸球体ろ過速度(GFR)は、両群ともに低下したが、その程度はDovato群で有意に少ない結果であった。
 GEMINI試験は、GEMINI-1および GEMINI-2という2つの同様なP3相試験から成り、HIV-1に感染し治療歴のない成人を対象として、対照群であるドルテグラビルと2種類の核酸系逆転写酵素阻害薬テノホビル・ジソプロキシル・フマル酸塩/エムトリシタビン(TDF/FTC)の3剤レジメンとの間で、ドバトの安全性および有効性を比較検討する試験である。
 両試験ともに144週時点でも対照群に対する非劣性を継続しており、併合解析を行った結果、144週時点におけるウイルス抑制効果は、ドバトの2剤レジメン群では82% (584名/716名)、ドルテグラビルとTDF/FTCの3剤レジメン群では84% (599名/717名) であった。
 また、ウイルス学的失敗を認めた患者は、ドバトの2剤レジメン群では12名 (1.7%) 、ドルテグラビルとTDF/FTCの3剤レジメン群では9名 (1.3%) であり、これらの患者において治療による薬剤への耐性は生じなかった。
 全体的な有害事象の発生率については両群で同等の結果であったが、薬剤に起因する有害事象の発生率について、ドバトの2剤レジメン群では20% (146名/716名)、対照群では27%(192/717)であり、Dovato® 群で有意に低い値となった。
 これらの結果は、ドバトの長期間にわたる有効性、安全性、ならびに高い耐性バリア能を支持する重要な知見となる。結果の詳細は、10月5~8日に開催された「HIV Glasgow 2020 Congress」で、ビーブ社より発表されている。
 なお、同件が 塩野義製薬の 2021年3月期の業績に与える影響は軽微である。

タイトルとURLをコピーしました