グローバル創立150周年節目に2030年に向けて飛躍 日本イーライリリー シモーネ・トムセン社長

トムセン氏

 日本イーライリリのシモーネ・トムセン社長は11日、都内で年次業績・社長記者会見を開催し、「グローバル創立150周年節目とした2030年に向けての飛躍」を強調した。
 トムセン氏は2025年度業績について、「売上高が過去最高の2760億円に到達した」と報告すると共に「2030年に向けた成長戦略」を説明。「研究開発や供給体制の強化、AI・テクノロジーの活用、医療アクセス向上への取り組みを通じて、患者に新たな治療の選択肢を届けたい」と抱負を述べた。
 リリーは、1876年の創業以来、科学に思いやりを込めて革新的な医薬品を創り出し、治療が困難な疾患に挑み続けてきた。日本においても約100年にわたり、患者に寄り添いながら、日本の医療への貢献を続けている。トムセン氏は、「リリーは、グローバルで創立150年という節目を迎えた。この歴史は私たちの誇りであると同時に、これから何を成し遂げるかが我々の価値を形づくるものだと考えている」と強調した。
 その上で、「我々が目指すのは、売上規模や市場シェアだけでなく、患者さんに寄り添い、新たな治療の選択肢を届ける製薬業界のリーディングカンパニーである」と断言し、「実現に向けて、最先端の研究開発への投資、安定供給を支える製造基盤の強化、さらには医療アクセスの向上に取り組んでいく」考えを示した。 日本ンイーライリリーの2025年度売上高は2760億円(前年比25%増)となり過去最高を更新。3年連続で2桁成長を達成した。トムセン氏は売上高の伸長について、「患者さんへの価値提供の結果であり、目的ではない」と述べ、「研究開発を通じた社会課題の解決に取り組む姿勢」を訴求した。
 革新的医薬品の創出と安定供給、医療アクセスの向上への取り組みでは、「西神工場(兵庫県神戸市)への200億円の追加投資による供給体制強化の推進」、「肥満症や認知症などに関する疾患啓発」、「医療アクセス改善」、「産学連携を通じた医療エコシステムの構築」などを紹介した。

ワン氏

 一方、ヤンピン・ワン氏(取締役シニアバイスプレジデント研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部)は、複数の領域における新薬候補の開発状況や臨床試験のデータを紹介。AIを活用した薬事文書作成支援など、研究開発プロセスの効率化と品質向上に向けた取り組みについても説明した。
 ワン氏は、「日本における開発プロジェクト数は過去最多で国内2位となり、業界トップクラスの規模を継続している」と明言。さらに、「世界同時開発戦略により、複数の治療領域で研究開発が着実に進展している。AIやテクノロジーを活用した研究開発の効率化と高度化の進展に加え、最先端科学との融合による遺伝子治療への挑戦も進めている」と述べ、「こうした取り組みを通じて、日本の患者さんに新たな治療の選択肢を届けていく」方針を示した。

 また、会場では、リリー創立150周年にあわせてヒストリーパネルが展示された。会場入口から時系列に沿って配置されたパネルでは、1876年の創業期における研究開発の様子から、現在のグローバルでの取り組みに至るまで、リリーの研究開発の進化を紹介し、多くの参加者の目を引いた。
 各パネルには、時代ごとの研究開発の転換点や代表的な取り組みを掲載し、リリーが科学と医療の発展にどのように向き合ってきたかを可視化した。こうした展示は、リリーのこれまでの歩みを振り返るとともに、今後の研究開発や価値提供の方向性を伝える機会となった。

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