iCONMインキュベーターオープンし、施設利用企業募集開始 川崎市産業振興財団

 川崎市産業振興財団は6日、川崎殿町キングスカイフロントにあるナノ医療イノベーションセンター (iCONM) 内にライフサイエンス分野のシード・アーリー期のスタートアップを支援するiCONM in collaboration withBioLabs 事業を開始し、同日より利用者の募集を開始したと発表した。
 同事業に際し、米国内に11拠点の他にドイツ、フランスにも拠点を持つバイオ領域のグローバルトップインキュベーターであるバイオラボ社と事業連携協定締結に合意した。同社にとっては、アジア初のシェアラボ連携拠点となる。なお、募集要項は、https://iconm-service.kawasaki-net.ne.jp/のURLより閲覧できる。
 同事業の拠点となる iCONMは、2013年に開始した文科省/JST のセンターオブイノベーション(COI)プログラムで培われた研究開発支援体制に強みがある。その施設は、有機合成~生化学実験~薬理実験に加え、ナノサイズでの材料加工ができる工作室やプロトタイプの医療精密機器の製造に必要なクリーンルームを備え、ライフサイエンス系の研究をハイスペックで一気通貫に実施する最先端の研究機器と設備が整っている。加えて、高度な研究設備だけでなく、施設を管理・運営し、実験機器を管理する体制も整っている。
 ここに、世界的にも高い実績と経験を持つグローバルインキュベーターであるバイオラボ社と事業連携協定を結ぶことで、施設を利用するスタートアップは自らの事業に専念できる環境で、グローバルにも事業開発を展開できる機会を手にできるようになる。
 事業連携協定の契約には、主な点として次の内容が含まれています。

1、同事業における入居企業選定委員会にはバイオラボ社が参画

2、バイオラボ社のグローバルネットワークを活用したセミナー・ピッチイベントの共催

3、本事業入居企業は全てのバイオラボ社オンラインイベントへの参加が可能

4、米国バイオラボ社の拠点でインキュベーションマネージャーのオンサイトトレーニングの実

5、バイオラボ社は iCONM in collaboration with BioLabs 事業の運営を支援

6日に記念セレモニー開催
三浦理事長が抱負

三浦理事長

 6日に開催された記念セレモニーでは、川崎市産業振興財団の三浦淳理事長、ヨハネス・フルハーフ バイオラボ社CEO、川崎市の福田紀彦市長、 片岡一則iCONMセンター長らがあいさつした。
 その中で、三浦理事長は、「本事業連携により、川崎市産業振興財団は新しい大きな一歩を踏み出す」と強調。その上で、「当財団が運営する iCONM と世界のイノベーションエコシステムが繋がり、新しい社会を切り拓くバイオテックスタートアップを川崎で支援することで、将来、モデルナのようなスタートアップがここから生まれることを期待したい」と抱負を述べた。

ヨハネス氏


 ヨハネス氏は、「私たちは日本のスタートアップやイノベーションエコシステム支援を共に行ってく。iCONMは、イノベーションを支援する設計となっているので、世界クラスのバイオテックスタートアップが集まるマグネットとなると考えている」と断言。
 さらに、「本連携が川崎市に与える影響は非常に大きいものになるに違いない。例えば、雇用を創出し、活気にあふれたコミュニティを形成するだろう。この連携が日本のスタートアップエコシステムを加速させる一助となることを願っている」と訴求した。

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