オプジーボ・ヤーボイ併用療法 3年間のP3追跡データが非小細胞肺がんの長期持続的生存効果実証 小野薬品

 小野薬品は7日、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法について、P3相CheckMate-9LA試験の3年間の追跡調査データが、転移性非小細胞肺がんにおいて長期の持続的な生存アウトカムを示したと発表した。化学療法4サイクルと比較して、未治療の転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)患者において持続的な生存ベネフィットを示したもの。同社が提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が6日に発表した。
 これらのデータは、2022年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、6日にLate-Breaking ポスタープレゼンテーションで発表された(抄録番号#LBA9026)。
 P3相CheckMate-9LA試験の最短3年(36.1カ月)の追跡調査において、免疫療法薬2剤による併用療法は、同試験の主要評価項目である全生存期間(OS)の持続的な改善を引き続き示し、3年生存率は、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群で27%、化学療法群で19%であった(ハザード比 [HR] 0.74;95% 信頼区間 [CI]:0.62 – 0.87)。
 3年時点で、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法による長期の持続的な臨床的ベネフィットは、PD-L1発現レベルが1%未満および扁平上皮がんの組織型を含め、一般的に予後不良な患者集団全体で認められた。
 PD-L1発現レベルが1%未満:PD-L1発現レベルが1%未満の患者における生存率は、免疫療法薬2剤による併用療法群で25%、化学療法群で15%であった。
 扁平上皮がんの組織型の患者における生存率は、化学療法を追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群で24%、化学療法群で11%であった。
 探索的解析では、化学療法を追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群で、STK11など特定の遺伝子変異を有する患者において生存ベネフィットの肯定的な傾向も認められた。
 CheckMate-9LA試験の追跡調査において、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法の新たな安全性シグナルは認められなかった。
  オプジーボとヤーボイの併用療法は、現在までに、mNSCLC、転移性悪性黒色腫、進行腎細胞がん、悪性胸膜中皮腫および食道扁平上皮がんの5つのがん腫を対象とした6つのP3試験でOSの有意な改善を示している。

◆CheckMate-9LA試験の治験担当医師で、スペイン、マドリード、ドセ・デ・オクトゥブレ大学病院の内科腫瘍部門長のLuis G. Paz-Ares(M.D.、Ph.D.)氏のコメント
 免疫療法薬は、mNSCLC患者さんのアウトカムを大きく改善してきた。一方で、特にPD-L1発現レベルが低い患者さんなど、残念ながら持続的な長期生存を達成できない患者さんも多くおられる。
 CheckMate-9LA試験の3年データでは、短いサイクルの化学療法を追加したオプジーボとヤーボイの併用療法による治療後に、現在も続く持続性と早期の病勢コントロールが示された。重要なのは、アウトカムが比較的不良で治療選択肢も限られる傾向にあるPD-L1発現レベルが1%未満の患者さんなど、アンメットニーズの高い患者さんで長期のベネフィットが示されていることである。

◆BMSバイスプレジデント兼胸部がん領域開発担当のAbderrahim Oukessou(M.D.)氏のコメント
 胸部がんにおける私たちの研究は、患者さんに長期生存の最も高い可能性をもたらす複数の治療選択肢をもたらしてきた。化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法がNSCLCで示した全生存期間の持続的な改善は、オプジーボとヤーボイの併用療法が幅広い種類の進行がんで生存アウトカムを変えるという確立されたエビデンスを強固とするものである。
 今回の結果および早期ステージのがんにおける最近の進展により、オプジーボによるレジメンが胸部がん患者さんの人生に違いをもたらす十分な可能性が示されている。

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