“発酵おから”による脂質代謝改善と抗肥満効果を同定 早稲田大学

肥満や脂質異常症改善の機能性食品への実用化に期待

 早稲田大学理工学術院 先進理工学研究科修士課程2年在籍の市川なつみ氏と同学術院の柴田重信教らの研究グループは22日、“発酵おから”による脂質代謝改善と抗肥満効果を発見したと発表した。
 麹菌を用いておからを固体発酵させて有用成分を変化することで、総フェノール量、タンパク質含有量、アミノ酸含有量といった栄養プロファイルが改善し、脂質代謝の改善を確認したもの。
 加えて、高脂肪食に発酵おからを混合することにより、マウスの脂質代謝が改善され、抗肥満や脂質異常の改善効果を示すことを明らかにした。
 同研究成果は、シンガポールの南洋理工大学Ken Lee准教授らとの共同研究によるもので、2月23日付けで『Metabolites』に、”Solid-State Fermented Okara with Aspergillus spp. Improves Lipid Metabolism and High-Fat Diet Induced Obesity”としてオンライン掲載された。
 大豆加工品の需要に伴い、おからは産業廃棄物として大量に出てくるため、その利活用が課題となっている。同研究グループは、麹菌のAspergillus oryzae(A. oryzae)とAspergillus sojae(A. sojae)を組み合わせた固体発酵によるおからの機能性向上を発見し、発酵おからが抗肥満、脂質代謝異常の改善効果を示すことをマウスのモデルで見出した。
 今回開発した発酵おからは、肥満や脂質異常症を改善できる食材として期待できるとともに、環境と経済の両面で、食品廃棄物の問題解決、有用な機能性食品の改良、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献する。
 市川氏らの研究により、麹菌を用いた固体発酵おからは栄養成分が増加し、さらに脂質代謝の改善が明らになった。世界人口の3分の1近くが「体重過多」または「肥満」である現代において、肥満問題の解消は急務であり、同研究で開発した発酵おからもまた、機能性食品としての実用化が期待できる。
 さらに、おからの廃棄問題は日本のみならず、今回共同研究したシンガポールにおいても深刻な問題であり、機能性改善により食品産業でのおからの利用が進めば、環境と経済の両面で廃棄問題の解決、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献できる可能性がある。

◆研究者のコメント
 本研究では、日本の伝統的な麹菌を用いた固体発酵により機能性の高いおからを開発することができた。
 近年、健康志向が高まっていることも受け、日本の文化でもある大豆製品、発酵食品のさらなる発展が期待される。

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