7月急増の『おうち熱中症』防止に備えて早めのエアコン試運転を 製品評価技術基盤機構

2022年夏は例年よりも高気温予測

 独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、本格的な夏期シーズンに入る前の「早めのエアコン試運転」の重要性を訴求している。同訴求は、メンテナンス不足などでエアコンが使用できないことによる「おうち熱中症」を防ぐことを目的としたもの。
 2022年の夏は、例年より気温が高くなる予報が気象庁より発表されており、エアコンの稼働が増えることが予想される。気温が高まると気をつけなければいけないのが熱中症で、特に、屋内で発生する「おうち熱中症」には注意を要する。 総務省消防庁の過去5年間の統計データによれば、熱中症は7月に急増し、半数以上が高齢者、約4割が住居で発生している。
 また、2021年の東京23区のデータでは、屋内で死亡した人のうちの約9割はエアコンを使用していなかった。
 「おうち熱中症」を防ぐためには、エアコン等を使用した室温の管理が重要である。エアコンの点検・修理・工事依頼は夏場に集中する。比較的空いているこの時期に、エアコン試運転を行い、所有するエアコンが正常に動作することを確認しておこう。エアコンを使用し、熱中症のリスクを低減することで、快適で安全に猛暑を乗り越えよう。

エアコン試運転の手順と確認ポイントは、次の動画(https://www.youtube.com/watch?v=dffsGRbyPgQ)で示されている。

 続いて、2017年から2021年までの5年間の熱中症搬送人員について、「月別の熱中症人員数」および「年代別の熱中症人員の割合」を紹介したい。熱中症は、7月から急増し、高齢者の方に多く発生している。


 2017年から2021年までの5年間の熱中症の発生場所は、住居が多くを占めている。


 2021年の東京23区での死亡者の8割以上は65歳以上の高齢者である。そのうち、約9割が屋内で死亡しており、さらにその約9割がエアコン未使用であった。
 高齢になると体温の調節機能や感覚機能が衰え、暑さやのどの渇きを感じにくくなる。そのため、猛暑日でも暑いと思わず、エアコンをつけずに過ごすことで熱中症に陥るのだと考えられる。


 熱中症予防のために、「早めのエアコン試運転」でエアコンの正常運転を確認して、暑い日にはエアコンを積極的に活用し、こまめに水分補給をしていくことが重要だ。
 特に、高齢者がいる家庭では、周りの家族がエアコンの使用を促してあげるといった積極的な声かけも必要である。
 NITE製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1000件以上の事故情報が寄せらる。
 製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っている。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てている。
 より多くの人に製品安全の知識を伝えるために、最近では、『うんこドリル』×NITE異色のコラボ裏話 前編 ~うんこを通じてくらしのキケンをベンキョウ~|ナイト(製品評価技術基盤機構) (note.jp)の取り組みも実施している。

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