新中期経営計画(22-24)で大日本住友製薬の計画を反映 住友化学

 住友化学は3日、新中期経営計画(2022~2024年度)を発表し、その医薬品部門に子会社である大日本住友製薬の計画が反映された。
 住友化学の新中期経営計画のスローガンは、「Change and Innovation~ with the Power of Chemistry ~」で、総合化学の力を結集し、社会課題の解決に貢献する。
 同計画の最終年度となる2024年度の経営数値目標は、売上収益3兆0500億円、コア営業利益3000億円、営業利益(IFRS)2850億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1500億円。
 その内、医薬品部門の業績目標は、売上収益 6100億円、コア営業利益 730億円。
 医薬品部門の事業戦略は、「米国ラツーダ独占販売期間終了後(2023年度)の収益基盤確立」、「中長期的成長への布石」、「CDMO事業強化」を柱とする。
 米国ラツーダ特許切れ後の収益基盤確立では、「オルゴビクス、マイフェンブリー、ジェムテサの収益最大化」、「経営効率向上、事業コストの適正化」を図る。
 中長期的成長への布石では、 精神神経領域での継続的な製品を創出し、外部リソースの積極活用を含めた開発迅速化、リスク低減、製品価値早期最大化を目指す。加えて、再生・細胞医薬など新たな治療法への挑戦と実用化を標榜している。
 CDMO事業強化は、再生・細胞医薬やα線治療薬(日本メジフィジックス)など、次世代医薬品分野で積極展開を図る。
 医薬品部門トピックスとなるのは、「ポストラツーダ剤 利益最大化」の取り組みだ。
 ポストラツーダ剤のオルゴビクス(前立腺がん治療薬)、マイフェンブリー(子宮筋腫治療薬)は、北米でファイザー社と共同プロモーションしている。
 両剤は、ファイザー社と米国において開発・販売提携しており、事業リスク軽減とともに、剤のポテンシャル最大化を図る。現在、マイフェンブリーは、子宮内膜症について米国申請中。
 一方、グループ会社間の販売・流通連携では、サノビオン社とジェムテサ(過活動膀胱)の共同プロモーションを実施している。さらに、サノビオン社は、3剤の卸への流通をサポートを行っており、同社の販売基盤活用によりコストシナジーを追求する。
 こうした取り組みにより、オルゴビクス・マイフェンブリー、ジェムテサでラツーダを上回る販売を目指す。
 一方、大塚製薬との開発・販売提携するSEP-363856(Ulotaront)、SEP-4199については、SEP-363856は、統合失調症を適応症に米国で2024年度、日本・アジアで2020年代後半の上市を予定。さらに、第2、第3適応症を検討している。
 SEP-4199は、双極Ⅰ型障害うつを適応症に、米国・日本で2020年代後半の上市を目指す。
 精神神経領域における両社の強みを結集し、中長期的な成長へ向けて、新たなブロックバスターへの育成を目指す。

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