ファーストインクラスの統合失調症治療薬の共同開発で提携 ベーリンガーインゲルハイムとそーせいグループ

 ベーリンガーインゲルハイムとそーせいグループは11日、そーせいグループが創出したファーストインクラスの統合失調症治療薬候補「GPR52 受容体作動薬」について、新規グローバル提携およびライセンスの独占的オプション契約を締結したと発表した。
 そーせいグループは、フルセットのバイオ医薬品企業で、英国における世界をリードするGタンパク質共役受容体(GPCR)をターゲットとしたStaR技術、構造ベース創薬(SBDD)ならびに初期開発力と、日本における経験豊富な臨床開発力および商業化事業とを組み合わせ、グローバルに事業を展開。世界をリードするサイエンスによって人生を変える医薬品を生み出すことをミッションとし、日本発の国際的なリーディングバイオ医薬品企業を目指している。
 今回の契約は、GPR52受容体作動薬の開発および商業化を両社共通の目的としたもので、そーせいグループは、契約一時金として約40億4900万円、オプション行使料として約97億1600万円をベーリンガーインゲルハイムから受領する権利を有している。
 また、開発、申請・承認、販売の目標達成に応じ、最大約1085億円のマイルストンを受領する権利に加えて、段階的ロイヤリティを受領する権利を有している。
 ファーストインクラスの GPR52 受容体作動薬であるHTL0048149で現在実施中のP1試験とP1b試験などの必要なデータが揃った後、同契約に基づきベーリンガーインゲルハイムはそーせいグループのGPR52 作動薬ポートフォリオのライセンスに関する独占的オプション権を保有することになる。
 2025年中に予定されている同オプション権行使まで、そーせいグループはこれらの臨床試験を引き続き主導し管理していく。ライセンスの対象となるポートフォリオには、HTL0048149 に加え、そーせいグループのStaR技術および構造ベース創薬(SBDD)プラットフォームを用いて設計された複数の異なるバックアップ化合物が含まれる。
 GPR52 受容体は、新規 G タンパク質共役受容体(GPCR)の一つで、GPR52 受容体作動薬は統合失調症の陽性症状、陰性症状および認知機能障害を同時に改善し、患者の予後の向上が期待されている。
 統合失調症は、世界中で約100人に1人が罹患する重篤な疾患だ。統合失調症の症状は、①陽性症状: 妄想、幻覚など、②陰性症状:社会的引きこもり、無気力など、③認知機能障害: 注意力・計画能力・記憶力の低下などーの3つに分類できる。
 これらの症状が患者の日常生活に与える影響は大きく、特に一般的な発症年齢が20 代であるため、介護者や社会全体への負担は大きくなっている。
 陽性症状は抗精神病薬で安定させることが可能であるが副作用を伴う場合がある。また、陰性症状や認知機能障害に特化した承認済みの治療薬は現在のところない。
 GPR52を標的とする新たな統合失調症治療薬は、統合失調症の3つの症状すべてを対象とする画期的な精密精神医学による治療(Precision treatment)となる可能性がある。
 このメカニズムは、GPR52受容体が脳内の陽性症状を引き起こす領域(線条体)と、陰性症状および認知機能障害を引き起こす領域(前頭前皮質)に存在することに基づくものである。
 GPR52 受容体作動薬は、線条体の機能を抑えるのと同時に、前頭前皮質の機能を高めることで、さらなる治療精度の向上が見込める。

◆ヒュー・マーストン ベーリンガーインゲルハイムの中枢神経系(CNS)領域ディスカバリーリサーチ グローバルヘッドのコメント
 我々は、統合失調症の患者さんの大きなアンメットニーズに応えることを目的としたこの新しい取り組みにおいて、そーせいグループと提携できることを大変喜ばしく思う。
 本提携は、精神疾患の治療に新たな精密精神医学的アプローチをもたらすことを目指す、当社の他の開発プログラムを補完するもので、これにより統合失調症の患者さんの生活を変えることができると期待している。

◆マット・バーンズそーせいグループ英国研究開発ヘッドのコメント
 本契約は、前臨床試験で示されたように、GPR52 受容体が統合失調症および関連神経疾患のファーストインクラスの新規治療ターゲットとして大きな可能性を秘めていることを物語っている。
 我々は、ベーリンガーインゲルハイムと提携し、同社の神経疾患研究や当該領域のイノベーションの専門性を活用できることを喜ばしく思っている。この新薬を必要とする患者さんにお届けするため現在P1試験を実施中であり、我々はともにこの非常に革新的なプログラムの開発を加速させることに注力していく。

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