エクモカーへの5G活用高精細リアルタイム映像伝送・双方向音声伝送システムを千葉大学病院に提供 NTTドコモ

重篤な新型コロナ感染患者の救急搬送に迅速・的確対応

同システムイメージ

 NTTドコモは1日、5Gを活用した高度な遠隔医療の実現をめざして、エクモカー(体外式膜型人工肺搭載車)と病院間をつなぐ高精細リアルタイム映像伝送、および双方向音声伝送システムを、千葉大学病院に提供したと発表した。
 千葉大学病院では同日からこのシステムの運用を開始した。エクモカーから搬送状況などの高精細リアルタイム映像伝送を行う試みは国内初となる
 新型コロナウイルス感染症が流行する中、医療従事者による専門的かつ迅速な対応の必要性が高まっており、負担が増加している。

社内イメージ写真


 同システムをエクモカーに設置することで、救急搬送時においても質の高い医療サービスの提供やオペレーションの効率化が可能となり、救急現場における医療従事者の負担を軽減できる。
 具体的には、エクモカーに高精細リアルタイム映像伝送システム「LiveU」と映像・音声配信クラウドサービス「Zao Cloud View」を搭載し、ドコモの5Gネットワークを通じて搬送中の患者の映像やバイタルデータを送信するシステムで、最大4つの映像を病院へ同時に送信し、病院側では1つの画面ですべての映像を確認することができる。

院内のイメージ写真


 これにより、搬送中においても接続先の病院から高精細な映像を確認しながら的確な指示を受けることができるため、効率的かつ早期に患者への処置を行うことが可能だ。
 加えて、録画・録音機能を利用することで、救急搬送時の状況や処置内容を研究データとして蓄積することができるため、今後の救急医療現場の改善にも役立つ。
 ドコモは高度な遠隔医療の実現をめざして、2020年10月から「5Gを活用した映像伝送ソリューションの医療機関向けモニタープログラム」を開始し、さまざまな医療機関に参画いただきながら取り組みを進めている。
 千葉大学病院への同システムの導入はその取り組みによるもので、救急搬送時における高精細映像伝送の発展的な利用をめざして、医師の意見を取り入れながら映像・音声合成などの最適化を図り本システムを構築した。

左上:エコー画像・・・患者のエコー画像
右上:LiveUの映像1・・・後方部から撮影している車内の映像
左下:LiveUの映像2・・・上部から撮影している車内の映像
右下:バイタルデータ・・患者の血圧などの医用情報


 今後、千葉大学病院は本システムの活用範囲を災害発生時に対応するDMATカー※4へ広げるなど、コロナ患者の対応以外にも幅広く活用する検討をすすめ、より多くの患者への治療支援の実現をめざしていく。

 ドコモは、引き続き千葉大学病院と連携しながら本システムの活用を推進する。さらに、同システムの提供を通じて、コロナ禍における医療従事者の負担の軽減や、高度な遠隔医療支援を全国の医療機関に展開するとともに、次世代の医療向けソリューションおよび新規ビジネスモデルの創出に向け取り組んでいく。

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