経口コロナ治療薬モルヌピラビル P3試験で重症化リスク高いワクチン未接種成人の死亡リスク低減  MSD

 MSDは22日、経口の新型コロナ治療薬「モルヌピラビル」について、P3試験(MOVe-OUT試験)において、重症化リスクの高いワクチン未接種の新型コロナウイルス感染症の成人患者への早い段階での同剤投与により、入院または死亡のリスクが有意に低下する結果を得たと発表した。
 同試験結果は、New England Journal of Medicineに掲載された。MSDは、Ridgeback Biotherapeuticsと共同でモルヌピラビルの開発を進めている。モルヌピラビルは英国において、初の経口抗ウイルス薬として、検査でSARS-CoV-2陽性と診断され、重症化のリスクを1つ以上有する新型コロナ感染症の成人患者に対する適応が承認されている。
 欧州医薬品庁(EMA)は、EU規則726/2004の第5条に基づき、モルヌピラビルの販売承認前の使用を各加盟国が判断することを支持する科学的な見解を示している。
 モルヌピラビルは、FDAの緊急使用許可申請や日本の厚生労働省への申請などを含め、承認審査や承認申請が進められている。

◆Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.研究開発本部プレジデントのDeanY.Li博士のコメント  MOVe-OUT試験においてモルヌピラビルは、重症化のリスクの高い新型コロナウイルス感染症の幅広い層の患者さんの入院や死亡のリスクを有意に低減させた。
 新型コロナウイルス感染症の感染者数、入院患者数、死亡者数の増加が世界各地で報告されており、新たな手段が喫緊に求められていることが厳然と示されており、当社は迅速かつ厳正に承認取得を目指し、この薬剤を速やかに広く世界中で適切な患者さんに提供できるよう取り組んでいる。
 治験実施時点で主流となっている変異株に対し一貫した効果が認められており、さらに最近の非臨床の所見では、オミクロン株に対する抗ウイルス活性が認められており、SARS-CoV-2のような変化の速いウイルスによる先の見えない状況においても非常に心強い。

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