開発中のナルコレプシー治療薬をFDAがブレークスルーセラピー指定  武田薬品

 武田薬品は29日、P2試験実施中の経口投与可能なオレキシン2型受容体選択的作動薬「TAK-9941」について、FDAよりブレークスルーセラピーの指定を受けたと発表した。
 現在、TAK-994は、睡眠-覚醒サイクルが変化する慢性神経疾患であるナルコレプシータイプ1(NT1)患者における日中の過度の眠気(EDS)の治療薬として開発が進められている。
 EDSは、NT1の特徴的な症状であり、一日を通して覚醒や注意力を保つことができず、日常的に無意識に不適切な時間であっても入眠するなどの特徴を示す。
 FDAによるブレークスルーセラピー指定は、重篤な疾患の治療を目的とした医薬品であり、かつ臨床的に重要な少なくとも1つ以上のエンドポイントにおいて既存の治療法より大幅な改善を示唆する予備的な臨床成績が提示された医薬品に対して、開発および審査を促進するために構築された制度である。
 TAK-994のブレークスルーセラピー指定は、NT1の患者において開発中の経口オレキシン受容体作動薬が日中の覚醒状態の客観的および主観的評価項目において大幅な改善を示す可能性を示唆した初期段階の予備的臨床データなどに基づくもの。
 現在、TAK-994はP2相試験(TAK-994-1501試験)を実施中で、同試験結果は治験終了後に今後の学会等で発表する予定にある。
 TAK-994は、先駆的な複数のアセットを有する武田薬品のオレキシンフランチャイズの中で最も先行する新規候補物質であり、湘南ヘルスイノベーションパークにある武田湘南研究所で創製された。
 今回の指定は、NT1の患者にこの重要な治療薬をお届けするための同社の取り組みを加速させるうえで、大きな節目となるものである。
 ◆サラ・シーク武田薬品ニューロサイエンス疾患領域ユニットヘッドのコメント
 ナルコレプシータイプ1の患者さんは、日常的に職場や学校で眠ってしまうほどの日中の過度の眠気に苦しんでいる。承認された場合、開発中のTAK-994は、疾患の根本的な原因であるオレキシン欠乏状態を改善し、現在のNT1治療法を革新的に変化させる可能性を有している。
 オレキシンは患者さんの睡眠-覚醒サイクルの調節にきわめて重要な役割を果たしており、目覚めを促進する脳内の生理的な経路を担っている。

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