腎性貧血治療薬の国内P3データを米国腎臓学会で発表      田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は11日、腎性貧血を適応症として厚労省に承認申請中のバダデュスタット(MT-6548)の国内P3試験データを、米国ワシントンで開催された米国腎臓学会腎臓週間(11月5日から10日)で報告したと発表した。
 日本では、約1330万人が慢性腎臓病と推定されており、多くの患者が腎性貧血に悩まされている。現在の標準治療は、ESA(注射剤)であり、1日1回の経口投与が可能であるバダデュスタットが、新たな治療の選択肢を提供できるものとして期待されている。
 田辺三菱製薬は、同剤の供給を通じて、腎性貧血と闘う日本の患者により利便性の高い薬剤を提供するとともに、同社が独占的開発・販売権を有する他のアジア諸国においても、迅速に提供できるよう開発を進めていく。
 同学会では、「保存期の腎性貧血患者を対象とした試験」を演題に、304名の保存期の腎性貧血患者を対象に52週間投与する、ランダム化、オープン、実薬対照P3試験結果が報告された。
 それによると、MT-6548群の20週および24週の平均ヘモグロビン濃度は、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)のダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)製剤群に対する非劣性を示した。
 さらに、24週以降52週までヘモグロビン濃度は安定して推移し、保存期の腎性貧血患者におけるMT-6548の有効性が52週まで維持されることが確認できた。
 MT-6548群ではベースラインに対してヘプシジン(鉄代謝の制御を担う分子)の低下が見られ、鉄代謝を改善させることが示唆された。これまでに報告されているMT-6548の安全性プロファイルと大きく異なる傾向は見られず、保存期の腎性貧血患者における安全性が確認できた。
 一方、「ESA治療を受けている血液透析を実施中の腎性貧血患者を対象とした試験」をテーマとした演題では、323名のESA治療を受けている血液透析を実施中の腎性貧血患者を対象に52週間投与する、ランダム化、ダブルブラインド、実薬対照P3試験について報告された。
 試験結果では、MT-6548群の20週および24週の平均ヘモグロビン濃度は、ESAのダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)製剤群に対する非劣性を示した。
 さらに、24週以降52週までヘモグロビン濃度は安定して推移し、血液透析期の腎性貧血患者におけるMT-6548の有効性が52週まで維持されることが確認できた。MT-6548群ではベースラインに対してヘプシジンの低下が見られ、鉄代謝を改善させることが示唆された。
 これまでに報告されているMT-6548の安全性プロファイルと大きく異なる傾向は見られず、血液透析期の腎性貧血患者における安全性が確認できた。

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