フォシーガ 欧州医薬品評価委員会が慢性腎臓病治療薬としての承認勧告  アストラゼネカ

 アストラゼネカは5日、フォシーガについて、欧州で2型糖尿病合併の有無に関わらず、成人の慢性腎臓病(CKD)の治療薬として承認勧告を受けたと発表した。
 今回の欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解は、フォシーガのP3試験(DAPA-CKD試験)結果に基づくもの。同試験においてフォシーガは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)との併用で、プラセボと比較して、腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合評価項目のリスクを低下させた。
 また、フォシーガは、プラセボと比較して全死亡のリスクを有意に低下させた。同試験において、フォシーガの安全性と忍容性は、これまでの試験で確認された安全性プロファイルと一致していた。
 CKDは、腎機能の低下によって定義される病態で、しばしば心疾患や脳卒中の発症リスクの増加と関連している。欧州で約 4700万人、世界で8億4000万人がCKDに罹患していると推定されている。
 だが、その診断率は低く、90%の患者は罹患していることに気が付いていない。
 フォシーガは、本年4月、米国で2型糖尿病の有無に関わらない、成人のCKD治療薬として承認された。また、欧州に加えて、日本や世界のその他の国においても審査が進行中だ。
 フォシーガは、成人2型糖尿病の食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロール改善、さらに、2 型糖尿病合併の有無に関わらず左室駆出率が低下した成人の症候性心不全に対する適応を有している。
 なお、現在、日本で承認されたフォシーガの効能・効果は次の通りで、慢性腎臓病に対する適応はない。
• 2 型糖尿病
• 1 型糖尿病
• 慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

◆バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントのMene Pangalos氏のコメント
 P3相DAPA-CKD試験により、フォシーガは、CKD 患者さんの腎機能の低下を抑制し、死亡リスクを有意に低下させることを示した。今回のCHMPの肯定的見解は、今後のCKD治療を変えるフォシーガの可能性を明示するものである。
 これにより、我々は欧州の多くの患者さんに、待ち望まれていた新薬を届けることに一歩近づくことができた。

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