ナイチンゲール生誕200年記念イベントで看護職への関心と理解を訴求  日本看護協会

 厚生労働省と日本看護協会は21日、フローレンス・ナイチンゲールの生誕200年を記念して看護のこれまでを振り返り、これからの看護を考える「Nursing Now:看護の力で未来を創る」をウェビナー形式で開催した。
 Webでは、一般市民にも「看護の日・看護週間」30周年記念式典や第10回「忘れられない看護エピソード」表彰式、Nursing Nowフォーラム・イン・ジャパンなどの模様を紹介し、「看護についての関心とより深い理解」を訴求した。


 昨年は、「看護の日・看護週間」制定30周年、および近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの生誕200年、「忘れられない看護エピソード」第10回目の節目の年となった。
 この記念すべき年にあたり看護のこれまでを振り返り、これからの看護を考える機会とするために実施されたのが今回のイベントだ。
 本来、記念式典や第10回「忘れられない看護エピソード」表彰式は、昨年5月の「看護の日・看護週間」時での開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染防止の観点から開催を延期し、この日のWeb開催となった。
 「Nursing Now:看護の力で未来を創る」では、「看護の日・看護週間」制定からの30年間を振り返るとともに、「忘れられない看護エピソード」の第10回の受賞作品の表彰が行われ、特別審査員・内館牧子氏(脚本家)による作品講評や歌手でゲスト審査員の荻野目洋子による受賞作品の朗読、トークショー、歌のパフォーマンスが行われた。
 さらに、 人々の健康な暮らしを支援する看護、医療提供の効率化に資する看護などについてエビデンスに基づいた議論を行い、看護の社会的な価値の明確化を目的とした「Nursing Nowフォーラム・イン・ジャパン」も開催された。

田村氏


 「看護の日・看護週間」30周年記念式典では、主催者を代表して田村憲久厚労大臣、福井トシ子日本看護協会会長があいさつした。田村氏は、「団塊の世代が75歳を迎える2022年を目前に、地域包括ケアシステム構築など、患者・住民が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境整備が求められている」と強調した。
 さらに、「こうした中、急性期医療から在宅医療まで生活者の視点で、地域の様々な場において多職種と協働しながら患者・要介護者を支える看護職の役割はさらに重要性を増している」と指摘。
 その上で、「我々は、全ての世代が安心できる社会を目指すための重要な担い手となる看護職の皆さんが、より一層働きやすく活躍できる環境整備に努めていきたい。この看護の日・看護週間を一つの契機に、国民の看護への関心がさらに深まることを期待したい」と訴求した。

福井氏


 続いて福井氏は、まず、「看護の日が制定された当時は、看護の就業者は約84万人で看護職の不足が叫ばれた時代であった。それから30年後の現在では、約166万人の看護職が病院や訪問看護ステーション、介護施設をはじめ様々な場所で活躍している」と報告した。
 看護の日事業の一環として開催してきたふれあい看護体験や看護の出前授業についても「今、看護師として活躍されている皆さんの中にも、学生時代にこれらのイベントを通して、看護の魅力を感じ、看護職を目指した人も少なくないと思う」と言及。
 最後に、「看護の日がこうして30周年を迎えられたのは、後援・協賛頂いた関係団体・企業のお力添えの賜で、心より御礼申し上げたい」と謝辞を述べた。
 一方、来賓祝辞では、萩生田光一文科大臣、中川俊男日本医師会会長、 丸川珠代参議院議員、石田昌宏参議院議員がメーッセージを贈った。

中川氏


 その中で中川氏は、「国民の皆さんは、この新型コロナとの戦いでより一層看護の大切さを実感し、看護職への感謝の意を強くされていると思う。どのような状況にあっても患者や家族に寄り添い、心を支えて生きる力を引き出す看護の力無くして医療は成り立たない」と断言。
 その上で、「看護の日・看護習慣を通して、今後も国民の皆さんに看護への関心を持っていただくことを期待したい」と呼びかけた。

「忘れられない看護エピソード」 受賞作品も朗読

トークショー、歌のパフォーマンス を行った荻野目洋子

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