ポリファーマシー

 地域医療支援病院運営委員会に出席をしました。

 毎回、紹介率や逆紹介率を始め、その病院の地域医療活動についてわかりやすいパワポの資料で報告を受けます。今回は新型コロナ感染拡大防止の影響も受け、患者数などで大きな変化のあった期間もありました。ここ最近は何とか安定した推移が示されていました。

 薬剤師の関連するところでは、まず周術期におけるチーム医療が挙げられました。入院前に服薬していた薬剤のチェックは主にお薬手帳や患者さんの持参薬で行われ、休薬する必要のある場合は、薬剤師が提案をします。また術後や退院後の薬剤についても重要で、トレーシングレポートが必要になることもあります。また、退院時の共同カンファレンスは多職種の医療人が参加して行われます。取り決めた時間に参加が難しいこともありますが、患者さんを中心とした病院と地域の連携が直接できるので、コンプライアンス等について入院中に見られた習慣などを知ることができ、退院後の服薬指導にも活かすことができます。

 私が実際に参加したカンファレンスでは、投与日数に拘らず、毎週薬の管理をしないといけないことや、自分で勝手に判断をして数を変えてしまうことがあるので、飲んだ後の薬の包みをカレンダーに戻してもらうことをして解決するなどのよい方法について考えることができました。

 この医療支援病院運営会委員会では最後に委員からの意見を聞いてくださいますので、厚生労働省委託事業のひとつであり堺市薬剤師会が取り組んでいる事業についてお話しさせていただきました。特定の機能を有する薬局の認定の一つとして、ポリファーマシーの解消を薬局から病院へ提案することに積極的に介入していくことです。患者さんの服薬状況等を一元的に管理することで、服薬する薬剤数が多いことによる薬物有害事象のリスクの増加や、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等を防ぐ働きをします。手順としては、まず事業内容のポスターを掲示します。そして薬局薬剤師が患者さんのポリファーマシーを発見し、トレーシングレポートを作成して処方医へ送付します。後日患者さんの処方箋にて減った内容を確認します。多職種とも共有します。その後継続的に患者さんのフォローを行い、ポリファーマシー解消をしたトレーシングレポートと事業報告書を薬剤師会に提出、という一連のことをします。

 話を聞いてくださった病院の先生方からは、ポリファーマシーについてはどんどん進めるよう返答をいただきました。病院側としても患者さんのためになり、点数も取れるのですが、なかなか実行できておらず、今後の課題です。ぜひ積極的にすすめて行きましょうと強く思いました。

                                   薬剤師 宮奥善恵

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