新型コロナで老後の備え意識に変化「お金」「健康」の不安要因が増加 メットライフが調査

メットライフ生命保険は2日、全国47都道府県の20歳~79歳までの男女1万4100人を対象に、「老後」に関する調査を実施した結果について発表した。
 同調査は、2018年以降定点調査として実施しており、3回目となる2020年は、特に「老後に対する意識や備えの変化」「新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)拡大による価値観や意識の変化」などに焦点をあて、年代間や男女間での傾向の違いと、47都道府県別に結果をまとめた。
 同社は、誰もが明るく豊かな老後を思い描くことができるよう「老後を変える」のテーマのもと、さまざまな取り組みを行っており、同調査はその一環として実施したものだ。
 主な調査結果は次の通り。
1.老後に対する意識とその変化
 ●1万4100人のうち、8 割以上(83.5%)が自らの老後に不安を感じている。60~70代のシニア層の不安度は前年比で4.8%高かった。
 ●老後に対する不安要因は、お金や健康に加えて、全年代で「認知症」がトップ3に入った。60~70代では「健康」「認知症」「自身の介護」「お金」の順となった。
 ●新型コロナにより、老後不安が増えたと感じた方は約半数(48.7%)。不安要因は、「お金」「健康」に次いで、20~30代では「仕事・学業」、40~50代では「両親の介護」、全年代平均では、「余暇の過ごし方」が老後への不安要因3位となった。
 ●新型コロナにより、老後に対する考え方や価値観が変化したと回答した人が約3割(4173人)。年代別では60~70代が34.2%と最も高く、変化した内容は60~70代では「健康への気遣い」「生活費の節約」「貯蓄意識の高まり」の順で、20~50代では年代が若くなるほど「貯蓄意識の高まり」の割合が高く、次いで「健康への気遣い」「生活費の節約」となった。

2.老後への備え
 ●老後の備えとなる金融資産を「計画的に貯めている」「計画的ではないが少しずつ貯めている」と回答した方は全体の61.4%。2018年(54.2%)、2019年(56.4%)と割合が高くなる傾向が見られた。
 ●2020年は、前年比で「現在の保有金融資産額」がすべての年代で高くなった。「老後の備えに必要な金融資産と自らが想定する金額」は、全体平均で3007万円(前年比+74万円)となり、特に20代と60代以上で200万円以上想定額が高い結果となった。
 ●30代以上の約3割以上が資産運用をしていると回答。今後、資産運用意向がある方は全体の56.7%で、20~30代は約7割が資産運用意向ありという結果。
 ●新型コロナにより、資産運用意向が高まったと回答した人は、全体の約2割(20.1%)。

3. 生活充実度の高いシニア層の充実要因
 ●60~70代(4,816人)に対し、「今の自身の生活充実度は何点(自己採点)か」聞いたところ、平均が68.7点。そのうち平均点を超える70点以上の点数を付けた人は、「老後の備えとしての金融資産と資産運用」「健康意識の高さと運動」「生きがい(趣味、人とのつながり)」の3項目において、行動を起こしている傾向が高い。

 また、調査の主要項目についてスコアの高かった都道府県は次の通り。
 ●「老後に対する不安度」が高かったのは、福島県(92.6%)、石川県(88.7%)、北海道(88.5%)、秋田県(87.6%)、栃木県(87.2%)。
 ●「新型コロナにより老後不安が増えた」と感じた方が多かったのは、長崎県(57.4%)、三重県(56.0%)、岐阜県(55.6%)、福島県(53.9%)、大分県(53.8%)。
 ●「資産運用実施率」が高いのは、東京都(39.6%)、神奈川県(37.7%)、兵庫県(37.2%)、茨城県(35.5%)、京都府(35.2%)。
 ●「資産運用意向」が高いのは、東京都(65.3%)、沖縄県(63.5%)、神奈川県(60.8%)、大阪府(60.1%)、滋賀県(59.6%)。
 ●「シニア層の生活充実度」が高いのは、千葉県(73.7%)、熊本県(73.2%)、宮崎県(73.2%)、岩手県(72.7%)、石川県(72.4%)。

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