電子お薬手帳harmoの県内ユーザー数10万人突破 滋賀県薬剤師会

 滋賀県薬剤師会(会長:大迫芳孝氏)とシミックヘルスケアは2日、滋賀県内の電子お薬手帳harmo(ハルモ)のユーザー数が10万人を突破したと発表した。また、本年8月時点において、滋賀県内の薬局(608店舗)でのharmoの利用実績は92.1%を達成している。
 滋賀県薬剤師会では、2014年度より電子お薬手帳の利用推進活動を開始。2016年度からは、同県が厚労省「電子版お薬手帳を活用した先進的な地域の健康サポート推進事業」のモデル事業として選定されたことを踏まえ、harmoが使用可能な薬局の拡大および利用者数増加を強力に推進してきた。

harmoアプリケーションインストールのQRコード


 harmoは、シミックが開発した電子お薬手帳を基盤としたPHRシステムで、スマートフォンアプリケーションおよび専用ICカードを合わせ約40万人(2020年9月現在)の利用者を擁し、全国1万4000軒以上の薬局で利用実績のある日本最大級のPHRプラットフォームだ。ユーザー(患者)を対象に治療アウトカム向上を目的とした疾患啓発や適正使用情報などの提供を行うサービスharmo channelを展開している。
 harmoは、本年より電子お薬手帳「PHARUMO」および「ポケットファーマシー」と協業を開始、100万人規模の電子お薬手帳を活用した共通サービスの誕生へ向け事業を推進している。
 また、近年では、パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)として活用するツールの1つとして、harmoを通じた医療情報の連携強化や利用者に対する健康サポート情報の活用に関する検証を実施するなど、滋賀県内でのharmoの利用環境向上に注力している。
 今後、滋賀県薬剤師会では、harmoを通じた利用者の健康意識向上や利用者と薬局・薬剤師との更なる信頼関係構築などを目指した活動を行う。まずは、滋賀県内の薬局にて調剤を受けたharmoの利用者のスマートフォンを対象に健康診断や検診の受診を呼び掛ける情報などを発信、その情報を基にした利用者の行動変容の確認や、かかりつけ薬剤師・薬局からの患者に対して薬剤適正使用に関するフォローアップの効果検証などを進める予定だ。

大迫氏


 大迫滋賀県薬会長は、「我々は、利用者の服薬管理に加え、医療情報の確認やセルフメディケーションでの利用を視野に入れ、患者と医療従事者の双方が使いやすく、そしてセキュリティーが高く将来の発展性に期待ができるharmoを選定して、電子お薬手帳の普及活動を推進してきた」とこれまでの経緯を説明した。
 利用者へのアンケート調査結果にも言及し、①harmo利用者の59%が「主体的に薬の情報を把握するようになった」との変化が見られた、②85%が「かかりつけ薬剤師を持ちたい、 または今後持ちたい」などの回答を得たことを紹介。
 その上で、「今後も、harmoの利用推進活動の継続が、患者と薬剤師とのより円滑なコミュニケーションの促進につながることを期待したい」と抱負を述べている。
 一方、中村和男シミックホールディングス代表取締役CEOは、「harmoは、信頼性の高い適切な健康・医療関連情報を内容に合わせ選定した適切な対象者へタイムリーに提供し、患者様や医療従事者の方々より有益性を高く評価頂いてきた」と強調。
 さらに、「今後は、harmoを通じて一人ひとりが健康に対する知識をもって健康管理を行い、多くの人々が自分らしい生活を全うできるよう、ヘルスケアの革新に尽力していく」考えを示した。

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