個別化の生活習慣病予防による健康寿命延伸で業務提携   PREVENTとKDDI

 名古屋大学医学部発のスタートアップ企業PREVENT(本社:愛知県)と、KDDIは20日、個別化された生活習慣病予防の実現による健康寿命延伸への貢献を目的とした業務提携契約を5月14日に締結した発表した。
 この契約締結により両社は、個人の価値観や健康状態などさまざまなデータに基づき、支援の内容が個別化された効果の高い生活習慣病予防サービスの開発検討を共同で実施する。
 まず、その第一弾として、KDDI、KDDI総合研究所、PREVENTの三社で、生活習慣病の「オンライン重症化予防」高度化に向けたスマホデータ活用の社内実証実験を開始する。
 併せて、KDDIは有望なベンチャー企業への出資を目的とした「KDDI Open Innovation Fund 3号」(運営者:グローバル・ブレイン)を通じて、PREVENTに出資している。
 PREVENTは、医療専門知識やテクノロジーを活用して、今までにない新しい健康づくりを追求する名古屋大学医学部発のスタートアップ企業として、オンライン完結型の生活習慣改善支援プログラム「Mystar」を開発。

「Mystar」サービスイメージ


 スマートフォンアプリやウェアラブル機器などから収集したデータを用いて生活習慣や健康状態などを評価し、オーダーメイドで運動・食事指導などの健康づくりプランを提供している。
 名古屋大学の研究では、「Mystar」による生活習慣改善の結果、脳梗塞発症後3年以内の再発率を2.8%(対照群は34.3%)まで低下させる成果を出している。
 「Mystar」はサービス開始から3年間で全国約100の健康保険組合に導入されるまでに普及し、循環器疾患の再発予防、生活習慣病の重症化予防に貢献している。
 昨今、高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、日本人の死因の半数以上、かつ医療費の3分の1以上を占めており、発症や重症化の予防への取り組みが重要視されている。
 一方で、個人自らが生活習慣病を見直しての予防継続は難しく、その実行・継続には外部からの支援が効果的とされているが、ライフスタイルが多様化している現代において、画一的な支援では効果が上がりにくいという課題がある。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による在宅勤務や外出自粛などで、対面指導の機会減少なども想定され、オンラインによるサポート体制の充実も必要である。
 こうした背景のもとKDDIとPREVENTは、個別化された生活習慣病予防の実現による健康寿命延伸を目的とした今回の業務提携に至った。
 これまでPREVENTとKDDIは、厚生労働省の「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進事業」にヘルスケア事業者として2年連続参加し、健康保険組合の生活習慣病重症化予防事業を実施している。
 また、ARISE analytics(本社:東京都)は、PREVENT協力のもと、会津若松市が保有するヘルスケアデータなどを活用し、会津若松市における総合都市システム(都市OS)との機能連携に関するヘルスケア領域の実証研究を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託している。
 両社は、「Mystar」の高度化・効率化や新サービスの開発により、価値の高い生活習慣改善支援プログラムの社会実装を推進し、より多くの顧客が身近に感じるヘルスケアサービスの提供、および健康寿命延伸への貢献を目指す。

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