アストラゼネカは12日、同社および MSDのセルメチニブについて、小児神経線維腫症1型対する初めての治療薬として欧州医薬品評価委員会(CHMP)より条件付き承認勧告を取得したと発表した。
適応症は、手術不能かつ症候性の叢状神経線維腫(Plexiform Neurofibromas、以下、PN)を有する3歳以上の小児の神経線維腫症 1 型(NF1)。
NF1は、世界中で3000 人に1人が罹患している消耗性の遺伝性疾患で、NF1 患者の30~50%には神経鞘に腫瘍が発現し(PN)、外見の変化、運動機能障害、疼痛、気道機能不全、視覚障害および腸や膀胱の機能不全などの病的状態を引き起こす可能性がある。
欧州医薬品庁(EMA)のCHMPの肯定的見解は、米国国立がん研究所(NCI)の米国癌治療評価プログラム(CTEP)によるSPRINT 試験P2相パート層1の結果に基づくもの。同試験の結果は The New England Journal of Medicine に掲載された。
承認勧告の条件として、SPRINT試験のより長期の追跡調査における安全性および有効性データを、CHMPに提供する予定にある。
SPRINT試験P2相パート層1における客観的奏効率(ORR)は、セルメチニブ単剤を1日2 回経口投与されたPNを有するNF1 小児患者において66%(50例中33 例が確定部分奏効例)であった。
ORRは、完全奏効または20%以上の腫瘍縮小を評価基準とする部分奏効が確定された患者の割合と定義されている。