2025年度に売上収益7500億円・コア営業利益1200億円目指す 大日本住友製薬野村博社長

 大日本住友製薬の野村博社長は12日、Webによる2020年度決算説明会で会見し、中期経営計画2022の改定について言及。「昨年4月に公表した2022年度の経営目標は、売上収益6000億円は変わらないが、米国でのレルゴリクス(前立腺がん、子宮筋腫)、ビベグロン(過活動膀胱)販売の販管費によりコア営業利益は従来予想の半分の600億円になる」と述べた。
 さらに、「23年2月の米国でのラツーダの特許切れで23年度が底となり、24年度以降は、レルゴリクス、ビベグロンの大きな伸長で増収・増益基調になる」と予測した。レルゴリクス、ビベグロンともに「ピーク時1000億円以上のブロックバスターへの成長」を期待している。
 2025年度の展望では「売上収益約7500億円、コア営業利益約1200億円」、さらに2020年代後半には「ROE10%以上」を標榜した。
 また、2022年4月1日より現在の「大日本住友製薬」から「住友ファーマ」に社名変更し、来年半ばには東京本社を「東京日本橋タワー」に移転することも併せて発表した。
 2020年度決算は、売上収益5160億円(対前年比6.9%増)、コア営業利益696億円(同3.3%減)、営業利益712億円(同14.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益562億円(38%増)となった。
 2021年度予想は、売上収益5780億円、コア営業利益640億円、営業利益610億円、親会社の所有者に帰属する当期利益410億円。 売上収益は、北米セグメント(+682億円)中⼼に増収し、ラツーダは、「対前年比139億円増の2204億円」を見込んでいる。
 スミトバント社関連では、「レルゴリクス、ビベグロン、レルゴリクス配合剤(申請中)の販売、ファイザー社との提携によるライセンス・マイルストン収益を織り込んでいる」
 一方、中期経営計画2022の改定については、「基本的なコンセプトに変更はないが、戦術を変える」と述べ、その大きな要因として「開発中止したナパブカシン(膵がん、結腸直腸がん)から、スミバント社関連のレルゴリクス、ビベグロンへの成長エンジンの変更」を指摘した。
 ナパブカシンからロイバント社との戦略的提携で獲得したレルゴリクスおよびビベグロンへの収益基盤の変更で、2022年度の従来目標である売上収益(6000億円)は達成できるものの、コア営業利益は、「販売費用」や「特許権償却費」の発生により半減(600億円)する。
 野村氏は、中期経営計画2022の改定事項として、「レルゴリクスおよびビベグロンや直近の収益貢献を期待する品目の製品価値最大化」、「中長期的成長に向けた研究開発の推進」、「体質強化に向けた基盤強化策への取り組み」を強調。 
 さらに、中長期的成長に向けた取り組みとして「経営基盤強化」と「成長エンジンの確立」を挙げ、具体的な成長エンジンとして、①主な上市品の収益最大化への取り組み②大型化、グローバル展開を期待する開発品への投資③精神神経領域での連続した製品の創出④モダリティ展開による新たな治療法への挑戦および実用化⑤フロンティア事業の展開加速ーを列挙した。
 主な上市品の収益最大化では、外部リソースを積極的に活用し、事業最大化を期待できる提携先と協業する。
 また、中長期的成長のための研究開発投資として、「年間900億円以上を継続」。大型化、グローバル展開が期待できる開発品には、「SEP-363856(統合失調症、P3)、SEP-4199(双極Ⅰ型障害うつ、P3)、rodatristat ethyl(肺動脈性肺高血圧症、P2b)」などがある。
 フロンティア事業は、「2023年頃から採血デバイス、運動機能改善のアシスト機器などを順次上市していく」計画だ。
 野村氏は、現在国内で申請中の2型糖尿病治療薬イメグリミンにも言及し、「インスリン抵抗性改善、グルコース濃度依存のインスリン分泌作用を持ったユニークな薬剤である」と説明。
 その上で、「この薬剤の特徴を活かしたプロモーションを展開し、糖尿病領域の新しいソリューションとして患者さんに届けられるように頑張りたい」と抱負を述べた。


 社名変更理由については、「当社が更に発展し続けるために、シンプルかつグローバルに通⽤する“住友”ブランドを最大限活用するとともに、新たな事業ステージに向けて変化することを目的としたものである」と説明した。
  

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