東京大学COIとの「4カ国政策と新型コロナ感染拡散関連」共同研究論文を公表  ALBERT

ロックダウンや国境閉鎖など強い制限措置が感染拡大を防止

 ALBERTは、東京大学センター・オブ・イノベーション自分で守る健康社会拠点(東京大学COI)が行なっているプロジェクトとの共同研究結果として、「4カ国の政策と新型コロナ感染症ウイルス(SARS-CoV-2)の拡散の関連性」についてまとめた学術論文を発表した。
 同論文は、SARS-CoV-2の拡散と各国政府の政策との関連性を研究し、異なる政策が公衆衛生にどのような結果をもたらしたかを分析することを目的としたもの。
 各国の国家統計データベースを通じて得られた公式統計及び各政府が実施した政策に基づいて、エージェントベースモデル(ABM)を構築し、それらの政策が時間の経過とともに、新型コロナウイルス感染患者数の総数、集中治療室(ICU)のベッド稼働率、回復率や症例死亡率などの様々な変数に与える影響を検討した。
 今回対象とした4カ国は、それぞれ異なるSARS-CoV-2の封じ込め策を採用しており、ロックダウン(都市封鎖)や国境閉鎖など、人口移動について非常に制限的な措置を講じている国(イタリア及びドイツ)が、講じていない国(スウェーデン及びブラジル)よりもSARS-CoV-2症例総数が少なく、抑制策が成功したことを示している。
 今回発表された論文のポイントは、次の通り。

・新型コロナウイルスの封じ込めに向け異なる政策アプローチを実施した4カ国(イタリア、ドイツ、スウェーデン、ブラジル)を対象に、各国の実データと実施した政策措置の両面を考慮したエージェントベースモデル(ABM:Agent-Based Model)を構築。
ABMのcalibration(較正)とvalidation(検証)というフェーズにおいて、複数のパラメータをチューニングすることにより提案モデルを現実データに適合させた。

・シミュレーションにより、「ロックダウン(都市封鎖)や国境閉鎖など人々の移動について強い制限措置を講じている国が、講じていない国よりも感染拡大をうまく抑えられた」、また「厳格な封じ込め策を実施しなかった国でも集団免疫を獲得できなかった」という結果が得られた。

・複数の実験結果より、患者の死亡率を下げるにはICU病床の十分な確保が特に重要であることが分かり、緩い制約を続けることもよりも、強い制限を段階的に行うことが、より早く経済影響を小さくできることも示唆された。
 論文名は、「An Agent-Based Model of the Local Spread of SARS-CoV-2: Modeling Study(SARS-CoV-2の局所感染エージェントベースモデル:モデリング研究)」で、本年4月の『JMIR Medical Informatics』に掲載された。
 ALBERTは、東京大学と共同研究契約を締結しており、東京大学COIのテーマとして引き続き共同研究を進めていく。

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