高血圧DNAワクチン PI/IIa相試験で安全性と抗体産生を確認  アンジェス

 アンジェスは4日、オーストラリアで実施中の高血圧DNAワクチンのPI/IIa 相試験において、重篤な有害事象は出現せず安全性に問題がないことや、アンジオテンシンIIに対する抗体産生を確認したと発表した。ワクチン投与後の経過観察期間を経て、初期の試験結果を評価したもの。今後、安全性、免疫原性および有効性を評価する試験を継続的に行っていく。
 高血圧DNAワクチンPI/IIa相試験は、高用量のアンジオテンシンII 受容体拮抗薬による血圧のコントロールが必要な高血圧患者を対象とした偽薬(プラセボ)二重盲検比較試験で、安全性、免疫原性および有効性の評価を目的とした試験である。症例数24 例(高血圧ワクチン投与18例、プラセボ投与 6 例)で、観察期間は12 ヶ月。
 高血圧 DNA ワクチンは、血圧上昇作用を持つ体内物質である「アンジオテンシンⅡ」に対する抗体(免疫作用により標的の物質に結合する分子)を体内で作り出し、その働きを抑えることによる高血圧治療を目的に開発が進められている。
 現在、高血圧の治療においては、多くの経口医薬品が使用されているが、これらの薬は毎日忘れずに服用する必要があるのに対し、注射剤であるDNA ワクチンは一度の投与で長期間にわたっての効果持続が期待されているため、特に服用の難しい高齢者を中心に患者の利便性は大幅に向上する。
 なお、同件が2020年度の通期連結業績に与える影響は現在精査中である。

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