末梢COMT阻害剤「オンジェンティス」新発売  小野薬品

 小野薬品は26日、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬「オンジェンティス(一般名:オピカポン)錠 25mg」を新発売したと発表した。効能効果は、「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing- off 現象)の改善」。薬価は、972.00 円/錠でピーク時の売上高予想額は44億円。
 パーキンソン病は、運動緩慢、振戦、筋強剛を中心とした運動症状を特徴とする進行性の神経変性疾患で、国内での患者数は約 16万3000人と推計されている。パーキンソン病の症状は、黒質のドパミン神経細胞の変性脱落と大脳基底核の機能の障害により生じる。。
 パーキンソン病の最も有効な治療法は、レボドパの補充療法とされている。レボドパは、通常、その脳移行率及び効果持続時間の改善を目的として、レボドパ代謝の主経路(脱炭酸)の活性を抑 制する DCI との配合剤として臨床使用されるが、レボドパの半減期が短く、1 日に複数回の服用が必要となる。
 また、症状の進行に伴いレボドパの作用持続時間が短縮し、wearing-off現象が発現すると、ドパミン附随薬が加えられる。ドパミン附随薬の一つであるCOMT 阻害薬は、DCIと同様にレボドパ代謝の副経路であるCOMTの活性を抑制し、レボドパの効果持続時間を延長することで、wearing-off による OFF 時間を短縮する薬剤である。
 オンジェンティスは、新規の長時間作用型の末梢 COMT 阻害薬であり、オンジェンティスの1 日1 回の投与により、パーキンソン病患者のOFF時間を短縮する効果を示す。また、患者の服薬に対する負担の軽減や服薬アドヒアランスの向上・維持への貢献が期待される。
 オピカポンは、BIAL社が創製した第三世代のカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬で、 欧州では2016年6 月に BIAL 社が欧州委員会よりレボドパ/ドパ脱炭酸酵素阻害剤(DCI)併用療法で症状が安定しないwearing-off 現象が認められるパーキンソン病の患者における補助療法として販売承認を取得し、Ongentysの商品名で販売している。
 米国では、本年4月にFDAにより、“オフ”症状を呈するパーキンソン病の患者におけるレボドパ/カルビドパの併用療法の補助療法として承認されている。
 小野薬品は、2013年4 月にポルトガルBIAL 社とオピカポンに関するライセンス契約を締結し、日本で独占的に開発・商業化する権利を取得している。

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