米国でのカナグリフロジン特許侵害訴訟で地裁勝訴  田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は3月31日、米国のニュージャージー連邦地方裁判所に提起していたSGLT2型糖尿病治療剤カナグリフロジン(米国製品名:インヴォカナ/インヴォカメット)に関する特許侵害訴訟に対し、3月22日に、同裁判所が勝訴判決を下したと発表した。
 判決は、「カナグリフロジンの有効成分を保護する米国物質特許は有効であり、本件特許が満了する2027年7月14日(小児臨床試験の実施に基づく6か月間の排他期間の追加の可能性あり)より早く、米国においてカナグリフロジン後発品は承認されない」とというもの。
 田辺三菱製薬は、2017年7月に、ヤンセン・ファーマ(米国でのカナグリフロジンの新薬申請ホルダー)などと共同で、米国においてカナグリフロジンに関する特許侵害訴訟を提起していた。
 今回のニュージャージー連邦地方裁判所による判決は、ザイダスファーマシューティカルズ社が、カナグリフロジンの後発品を米国食品薬品局に簡略申請するにあたり、同件特許の無効を主張したものの、同件特許は有効であり、田辺三菱製薬を含む原告の権利行使が可能であると認めたものである。
 当初、特許侵害訴訟の被告であった他の後発品会社4社(オーロビンドファーマ社、インバジェンファーマシューティカルズ社、プリンストンファーマシューティカルズ社、サンド社)は、既に同件特許の有効性を認め、訴訟の終結に同意している。
 カナグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体 2(SGLT2)を標的とする2型糖尿病治療剤で、米国においては、2013年より販売を開始し、日本をはじめ、欧州、オーストラリアなど、約100か国で承認されている。

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