塩野義製薬は7日、グラム陰性菌感染症治療薬「セフィデロコル」について、オーストラリア当局(TGA)より、製造販売承認を取得したと発表した。
対象は、治療選択肢が限られた成人患者における、カルバペネム耐性またはカルバペネム耐性が強く疑われるグラム陰性菌による腎盂炎を含む複雑性尿路感染症、院内肺炎、人工呼吸器関連肺炎。
同承認は、これまでに実施したセフィデロコルの3つのグローバル臨床試験(複雑性尿路感染症患者を対象としたP2試験「APEKs-cUTI」、カルバペネム耐性グラム陰性菌感染症患者を対象としたP3試験「CREDIBLE-CR」、院内肺炎患者を対象としたP3試験「APEKS-NP」)1-3の結果に基づくもの。
塩野義製薬は、Link社との間で、オーストラリア・ニュージーランドにおけるセフィデロコルの開発・販売に関するライセンス契約を締結している。今回、オーストラリアでの承認取得を受け、今後はLink社と連携し、セフィデロコルを必要とする患者へのアクセス向上に取り組んでいく。
薬剤耐性(AMR)は「サイレントパンデミック」と呼ばれ、人類が直面する世界的な公衆衛生上の脅威のひとつであり、緊急に対処が必要な世界規模の重要課題である。2021年には、AMRにより世界中で114万人が死亡したと推定されており、国際的な連携により対策を講じなければ、2050年までに3900万人以上が命を落とす問題に発展するとの予測がなされている。
その一方で使用可能な治療薬は限られており、アンメットメディカルニーズが高い疾患領域の一つである。セフィデロコルは、細菌の耐性獲得により抗菌薬が効きにくくなった多剤耐性菌を含むグラム陰性菌に有効な薬剤であり、同承認により、新たな治療の選択肢になることが期待される。
