ノボ ノルディスク ファーマは7日、2型糖尿病治療および長期的な肥満症治療薬「セマグルチド」について、国際共同P3試験(ESSENCE試験)の日本人サブグループ解析でもMASHにおける有用性が確認されたと発表した。同試験結果は、日本消化器病学会の学会誌『Journal of Gastroenterology』に掲載された。
セマグルチドは、ノボノルディスクが開発した2型糖尿病治療および肥満に使用されるGLP-1受容体作動薬だ。日本での商品名は、糖尿病治療薬オゼンピック(注射薬)、リベルサス(経口薬)、肥満症治療剤ウゴービ(注射薬)として、同社と住友ファーマが共同で医療機関への情報提供活動している。
同論文では、日本人MASH患者においても、ESSENCE試験全体集団で認められたセマグルチド2.4mgの有効性および安全性と概ね一貫した結果が示された。
ESSENCE 試験は、肝線維化が中等度から高度(ステージF2 またはF3)1 の成人MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)の患者を対象に、セマグルチド2.4 mgの有効性および安全性を評価する国際共同P3試験だ。
同解析は、ESSENCE 試験パート1(72 週時評価)において無作為割り付けされた最初の800例に基づく中間解析のうち、日本人116 例を対象とした事前規定サブグループ解析である。
国際共同試験では、全体集団比べ、人種や地域による患者背景の違いが試験結果に影響する可能性があるため、日本人患者における結果を評価した。同解析では、体重およびBMI が全体集団より低かったことを除き、日本人集団のベースライン特性は全体集団と概ね同様であり、セマグルチド2.4 mgの有効性および安全性についても全体集団と概ね一貫した結果が認められた。
ESSENCE 試験パート1 では、「MASH の悪化を伴わない肝線維化の改善」および「肝線維化の悪化を伴わないMASHの消失」を主要評価項目として評価した。
日本人集団においても、セマグルチド2.4 mg 群ではプラセボ群と比較して主要評価項目において良好な結果が認められ、その方向性は全体集団で観察された結果と概ね一致していた。
日本人集団において、72 週時点における「MASH の悪化を伴わない肝線維化の改善」が認められた被験者の割合は、セマグルチド群で36.5%、プラセボ群で28.9%であった。
また、「肝線維化の悪化を伴わないMASHの消失」が認められた被験者の割合は、セマグルチド群で63.1%、プラセボ群で36.8%であった。
さらに、非侵襲的評価指標である肝硬度(VCTE)についても、セマグルチド群で低下傾向が認められなかった。これらの日本人集団における有効性の結果は全体集団で観察された傾向と概ね一致していた。
安全性解析対象141例において、有害事象が認められた被験者の割合は、セマグルチド群で93.7%、プラセボ群で87.0%であった。セマグルチド群で主に認められた有害事象は、悪心および下痢などの胃腸障害であった。日本人集団における安全性および忍容性プロファイルは、全体集団と概ね一致していた。
なお、同解析は日本人サブグループにおける群間差の統計学的検証を目的としたものではなく、結果の解釈にあたってはサブグループ解析に伴う限界を考慮する必要がある。
