ベングルスタット 日本でゴーシェ病治療薬として製造販売承認申請 サノフィ

 サノフィは、新規の経口グルコシルセラミド合成酵素阻害剤「ベングルスタット」について、26日に厚労省にゴーシェ病の適応で製造販売承認を申請した。 ゴーシェ病は、まれな遺伝性疾患であるライソゾーム病の一種で、グルコセレブロシダーゼ(別名βグルコシダーゼ)という酵素が欠乏するため、脾臓、肝臓、骨髄や肺にスフィンゴ糖脂質(GSL)と呼ばれる糖と脂質が結合した分子が蓄積する疾患だ。
 神経症状を伴わない1型、神経機能が急速に低下し重度の神経認知症状が現れる2型と、症状が徐々に悪化し症状の進行速度と重症度の個人差が大きい3型の3種類に分類される。 疫学的には、日本の人口当たりのゴーシェ病患者数は海外と比較して少ない一方で、2型および3型の占める割合が高いことが確認されている。
 ゴーシェ病3型では、スフィンゴ糖脂質が中枢神経系に蓄積するため神経症状が現れるほか、肝腫大や脾腫大、貧血、血小板減少症や骨症状などゴーシェ病1型にみられる全身症状も現れる。ゴーシェ病3型の全身症状は酵素補充療法で治療できるが、現時点では神経症状に対する治療薬は承認されていない。
 ベングルスタットは、スフィンゴ糖脂質の異常蓄積を抑制する薬剤である。同剤は、血液脳関門を通過して中枢神経に到達するよう設計されており、ゴーシェ病の神経症状を引き起こす病変を標的とする。
 同申請は、酵素補充療法によって全身症状が安定している、神経症状を伴うゴーシェ病3型の成人および小児患者において、ベングルスタットの有効性および安全性を評価したLEAP2MONOP3相試験(試験ID:NCT05222906)の結果に基づくもの。
 同試験で、ベングルスタットは、2つの主要評価項目と、4つの主な副次評価項目のうち3つを達成した。主要評価項目は、ベースラインから52週までのSARA(運動失調評価法)修正総スコアの変化と、RBANS(アーバンス神経心理テスト)総スコアの変化で、ベングルスタット群と酵素補充療法群とで比較評価した。
 同試験におけるベングルスタットの忍容性はおおむね良好で、過去の試験から予測されない新たな安全性シグナルは認められなかった。試験中に高頻度で報告された有害事象の発現率(ベングルスタット群21例 vs. 酵素補充療法群22例)は、頭痛(14.3% vs. 18.2%)、悪心(14.3% vs. 4.5%)、脾腫大(14.3% vs. 0%)および下痢(14.3% vs. 0%)であった。
 ベングルスタットは、ゴーシェ病の治療薬として、日本、米国と欧州において希少疾病用医薬品の指定を取得したほか、米国においてゴーシェ病3型の適応症でファストトラック指定を取得している。
 2026年5月、米国FDAは、ゴーシェ病3型に関する新薬承認申請(NDA)に対して優先審査を指定した。米国および欧州において承認申請の審査が進められている。

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